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第2部 基本データと政策動向
第5節 サイバーセキュリティ対策の推進

(2)人材育成に関する取組

サイバー攻撃が巧妙化・複雑化している一方で、我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足しており、その育成は喫緊の課題である。そのため総務省では、NICTの「ナショナルサイバートレーニングセンター」を通じて、サイバーセキュリティ人材育成の取組(CYDER、サイバーコロッセオ、SecHack365)を積極的に推進している。

CYDERは、国の機関、地方公共団体、独立行政法人及び重要インフラ事業者等の情報システム担当者を対象とした実践的サイバー防御演習である。受講者は、チーム単位で演習に参加し、組織のネットワーク環境を模した大規模仮想LAN環境下で、実機の操作を伴ってサイバー攻撃によるインシデントの検知から対応、報告、回復までの一連の対処方法を体験する(図表5-5-2-2)。2020年度(令和2年度)は、全国47都道府県で全106回の演習を実施し、延べ2,648名が受講した。2017年度(平成29年度)からの合計で11,413名が受講している。2021年度(令和3年度)は、従来からの初級及び中級の集合演習コースに加え、より高度なセキュリティ技術を習得可能な準上級のコースを追加するとともに、演習の全てをオンラインで実施するコースを追加した上で、従来と同規模で実施予定である。

図表5-5-2-2 実践的サイバー防御演習(CYDER: CYber Defense Exercise with Recurrence)

サイバーコロッセオは、東京2020大会に向けた大会関連組織のセキュリティ担当者等を対象者とした実践的サイバー演習である。大会に関わるシステムを忠実に再現した仮想のネットワーク環境上でサイバー攻撃を擬似的に発生させるなど、実機による攻防型演習等を行うことで攻撃対処手法を学ぶコロッセオ演習と、講義演習形式によりセキュリティ関係の知識や技能を学ぶコロッセオカレッジを、組織委員会とも緊密な連携を図りながら実施した。2020年度(令和2年度)が最終年度であるが、2017年度(平成29年度)からの合計として、コロッセオ演習で延べ571名、コロッセオカレッジで延べ1,717名の人材を育成した。

SecHack365は、日本国内に居住する25歳以下の若手ICT人材を対象として、新たなセキュリティ対処技術を生み出しうる最先端のセキュリティ人材(セキュリティイノベーター)を育成するプログラムである。NICTの持つ実際のサイバー攻撃関連データを活用しつつ、第一線で活躍する研究者・技術者が、セキュリティ技術の研究・開発等を1年かけて継続的かつ本格的に指導する。2020年度(令和2年度)は41名が修了し、2017年度(平成29年度)からの合計で171名が修了している。2021年度(令和3年度)以降も、引き続き同規模で実施予定である。

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