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第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
第2節 コロナ禍における公的分野のデジタル活用

(2)具体的な取組の内容

ア 教育機関による取組

2020年3月からの臨時休業期間中、迅速に遠隔・オンライン教育を開始した学校が存在する。

例えば、千葉大学教育学部附属小学校では、チャットやビデオ会議などが実施できるコミュニケーションツール(Microsoft Teams)の導入をわずか10日間で決定し、同ツールを用いて、休業期間中に全児童640名を対象にオンライン学習を実施した。また、学年別に家庭学習用のページを提供している(図表2-2-2-4)。さらに、学校再開後には、3密対策として1クラスの学生を2つの教室にわけてコミュニケーションツールを活用し、教室同士を繋いだ授業を行っている(図表2-2-2-5)。

図表2-2-2-4 家庭学習のページ(2019年度3月臨時休業措置関連)
(出典)総務省(2021)「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」
図表2-2-2-5 オンラインを活用した授業風景(分散教室)
(出典)総務省(2021)「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」

大学については、2020年5月頃から授業が再開されたが、その際、オンライン授業も多く行われている。その効果を高めるために様々な工夫が行われている。

例えば、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにおいては、同校が実施したオンライン授業を分析し、その結果をレポートで公表している(図表2-2-2-622。レポートでは、オンライン授業の低評価/高評価の理由から、オンライン授業のまとめとして、「学生は、授業理解だけでなく、教員や他の履修生との交流を求めている。これはライブ配信のメリットで、オンデマンドでは成し得ない。」、「一方通行の授業はオンデマンドにすることで不満をかなり解消できそう。」、「授業内のチャットや小テストの活用によって課題多すぎ問題を解消できるのでは?」という点を挙げている。

図表2-2-2-6 SFCオンライン授業サポートページ(慶應義塾大学)
(出典)総務省(2021)「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」
イ マスメディアによる支援

放送業界においても、学校の臨時休業期間中、子供向けに様々な支援が行われ、例えば、子供向け番組編成や有料チャンネルの一部無料放送を開始するなどの対応が行われた23

NHKは全国の小中高等学校等の一斉休校を受けて、子供たちの学びに役立つコンテンツ等を充実した。具体的には、Eテレの学校放送番組や動画クリップを提供するポータルサイト「NHK for School」において、子供たちの家庭での学びを応援するため、家庭で学習する際の番組の効果的な使い方などを掲載する特設ページを開設した。



22 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(2020)「SFC2020春学期 オンライン授業レポート」

23 詳細は、令和2年版情報通信白書参照。

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