総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和3年版 > 新型コロナウイルス感染症流行によるGDPの低下
第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
第1節 コロナ禍で拡大したデジタル活用

(1)新型コロナウイルス感染症流行によるGDPの低下

我が国経済は、2012年11月を景気の谷として、それ以降緩やかに回復傾向にあったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、大幅に経済が落ち込んでいる。

世界各国においても、GDP成長率は大幅に落ち込んでいる。2020年の日米欧主要国の実質GDP成長率は、過去のオイルショック、リーマンショックを上回り、二度の世界大戦、世界恐慌時の影響に匹敵するほど低下すると見込まれている(図表2-1-2-1)。

図表2-1-2-1 日米欧主要国の実質GDP成長率
(出典)総務省(2021)「ポストコロナの経済再生に向けたデジタル活用に関する調査研究」

また、中世の欧州において流行した黒死病(ペスト)及び天然痘、あるいは20世紀初めに世界規模で流行したスペイン風邪といった過去のパンデミックと比較しても、新型コロナウイルスの世界的流行が及ぼす経済的影響は大きいと見込まれている(図表2-1-2-2)。

図表2-1-2-2 過去のパンデミックにおける死亡率と経済的影響
(出典)総務省(2021)「ポストコロナの経済再生に向けたデジタル活用に関する調査研究」

コロナ禍以降のGDPを見てみると、2020年4〜6月は大幅な落ち込みとなったが、7〜9月には持ち直しの局面に入っている。感染症対策を講じつつも、経済活動を再開する動きが各国で進んだといえる。

ただし、世界経済全体としては持ち直しつつあるが、回復度合いは国によりばらつきが大きい。中国は世界に先駆けてコロナ前の水準に回復している一方、欧州や米国、日本などは依然としてコロナ前の水準を下回っている。2021年1〜3月期は、米国は引き続き回復基調にあるのに対し、日本及び欧州は、再び下落している(図表2-1-2-3)。

図表2-1-2-3 主要国の実質GDP水準
(出典)三菱総合研究所4


4 https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/ecooutlook/2021/dia6ou0000039gw7-att/nr20210519pec_all.pdfPDF

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