総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和3年版 > 生産性向上に向けたICTの活用
第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
第2節 企業活動におけるデジタル・トランスフォーメーションの現状と課題

(3)生産性向上に向けたICTの活用

このように労働生産性の向上に寄与するICTを活用することで生産性向上等の変革等を図る動きについては、2010年にドイツで示された「インダストリー4.0」をはじめ、この間、各国で様々なコンセプトやキーワードが示された。我が国でもこれまでに「第4次産業革命」や「Connected Industries」といったコンセプトが用いられてきた。

しかしながら、我が国企業におけるこれまでの生産性向上の取組は、業務の省力化や業務プロセスの効率化といった取組にシフトする傾向があり、既存製品・サービスの高付加価値化や新規製品・サービスの展開に取り組む例は少なかった。そのため、ICT投資も既存業務の効率化を目的としたものになりがちであり、労働生産性を引き上げる効果も小さかった。

他方、グローバル市場ではGAFAに代表される巨大なICT企業が存在感を示しているほか、新興国・途上国においてもデジタル化が急速に進み、次々と新製品・サービスが登場している。また、デジタル技術(ICT)の進化は、個人のライフスタイルを大きく変えただけでなく、産業分野においてもビジネスモデル等の変革を通じて、産業構造の変革を誘発している。今後、我が国企業が生き残っていくには、デジタル技術を単に業務効率化のためのツールとして使うのではなく、デジタルを前提とした組織、文化、働き方に変革するとともに、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを通して新たな価値の創出につなげるデジタル・トランスフォーメーションに取り組むことが求められている。

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