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第2部 基本データと政策動向
第6節 IoT・ICT利活用の推進

(3)クラウドサービスの展開

ASP・SaaS、PaaS及びIaaS等のクラウドサービスの普及に伴い、利用者がクラウドサービスの比較・評価・選択等に十分な情報を得られる環境の整備が必要となっている。総務省では、こうした観点から、「クラウドサービスの安全・信頼性に係る情報開示指針」を策定・公表しており、一般社団法人ASP・SaaS・AI・IoTクラウド産業協会(ASPIC)では、上記指針にのっとりクラウド事業者からの情報開示が適切に行われていることについて、分野別の認定制度を設けている。

総務省は、「クラウド等を活用した地域ICT投資の促進に関する検討会」(2015年(平成27年)1月〜7月)において、クラウドサービス等によるビジネスへの転換による収益力向上や経営効率化、地域の活性化を目的とした推進体制の整備について検討を行った。この検討結果の趣旨に賛同した民間企業や商工団体等により、同年12月、「一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会」(略称:CLOUDIL(クラウディル))が設立された。同協議会は、2016年(平成28年)2月から、地域における中小規模事業者等を対象に、クラウド活用を促進するためのセミナーを開催するなど、全国で周知啓発活動を展開している。

2019年度(令和元年度)からは、CLOUDILが事務局となり、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会などの関係機関と実行委員会を構成し、総務省も共催して、地域の中小規模事業者等による収益力向上や経営効率化を実現したクラウドサービス実践事例を収集・紹介するための「全国中小企業クラウド実践大賞」を開始した。実践大賞では、クラウドサービス実践により顧客満足度向上、従業員満足度向上、業務効率を改善した中小規模事業者に自己宣言を促し、さらに、自己宣言をした中小規模事業者によるクラウドサービス実践事例の公開プレゼンテーション等を通じて発信・顕彰を行った。

2020年度(令和2年度)の実践大賞では、全国の中小規模事業者57者から自己宣言、39者の実践事例の登録があった。このうち38者が、5カ所の会場(札幌市、郡山市、大阪市、岡山市、福岡市)に分かれて公開プレゼンテーションに参加し、実践事例を海外や大企業のものではない身近な成功例として紹介した。さらに、この5会場で実践事例の熟度や発信力が高いと認められた中小規模事業者10者が参加した事例発表をオンラインで行い、働き方改革や革新的ビジネスモデルの創出、新型コロナウイルス感染症対策などにつながる優れた実践事例に対して総務大臣賞等を表彰した。優れた実践事例については、今後、実践大賞を運営する関係機関が主催するセミナー等を通じて全国に発信していくこととしている。また2021年度(令和3年度)も同様に、全国から自己宣言及び実践事例の登録を促し、オンラインを中心とした公開プレゼンテーション等の場を設けて優良事例の発表や表彰を行う予定である。

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