総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和3年版 > リテラシー向上の必要性
第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
第4節 コロナ禍におけるデジタル活用で浮上した課題

2 リテラシー向上の必要性

デジタルによる効用を最大限活用するとともに、セキュリティなどのデジタル化の負の課題を解決するためには、デジタルの利用側のリテラシーの向上は重要である。

デジタル社会に向けて、スマートフォン・タブレットといった端末だけではなく、ウェブ会議など様々な目的で利用できるアプリケーションが登場している。このように多様化するICTツールについて、それぞれ使い方が異なり、また、必要なセキュリティ対策等が異なる。全てのツールについて利用者側で習熟することは難しく、デジタルの提供側が必要なセキュリティ対策を行う、UI/UXを改善するといった取組も重要ではあるが、それだけではなく、利用者側においても、基本的な操作方法を習熟することは重要である。

また、先述したZoomに関しては、システムの改善がなされ、パスワード設定や、待機室というホストからの承認を得ることで初めてミーティングに参加できる機能や、途中からは会議に参加できない仕組みであるミーティングロックが導入されている。他にも画面共有機能を主催者のみに設定できる機能や、スクリーンショットに機密データが表示されないようスナップショットをぼかす機能が追加されている。このように日々革新される機能を有効に活用するためのリテラシーも求められている。

セキュリティに関しても、適切なパスワード設定をする、アプリケーションを定期的にアップデートするといった基本的な対策で解決できる点も多く、そのようなリテラシーも身につける必要がある(図表2-4-2-1)。

図表2-4-2-1 セキュリティ対策のためのアプリケーションの最新化
(出典)総務省(2020)「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)関連資料」

新型コロナウイルス感染症に関しては、インターネット上で様々な情報が氾濫したが、その中には多くの偽情報も含まれ、SNSの普及を背景とした世界的なインフォデミックの危険性が指摘された(詳しくは第2章補論を参照)。膨大な情報の中から受け取った情報の真偽を見極める姿勢が個々人に求められており、情報リテラシーの向上も重要となっている。

これらのリテラシーは、デジタル化が急速に進展したために新たに必要となるリテラシーである。リテラシーが十分にないことが原因で、デジタル化によるメリットが享受できず、取り残されてしまうことがないよう、必要な支援を実施することが重要である。

そのため、総務省では、民間企業や地方公共団体などと連携し、デジタル活用に不安のある高齢者等の解消に向けて、オンラインによる行政手続きやサービスの利用方法等に対する助言・相談等を実施する事業(デジタル活用支援推進事業)などの取組を行っている。

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