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第2部 基本データと政策動向
第7節 ICT研究開発の推進

(3)量子ICT技術に関する研究開発

NICTでは、計算機では解読不可能な量子暗号技術や、微弱な光信号から情報を取り出す量子信号処理に基づく量子通信技術の研究開発を実施している。2020年度(令和2年度)は、量子暗号ネットワークに構築した秘密分散ストレージに、医療情報を扱う標準規格(SS-MIX)に準拠した電子カルテの分散保管のシステムをそれぞれ実装し、社会実装に向けた実証実験を実施した。量子通信技術についても、2020年度(令和2年度)は、前年度までに光空間通信テストベッドに実装した物理レイヤ秘密鍵共有システムの高速化(10GHz級)に向けた開発を行っている。また、量子通信技術と現代セキュリティ技術の分野融合を促進する量子セキュリティ拠点の設置に向けた整備を実施している(図表5-7-2-3)。

図表5-7-2-3 量子通信技術と量子暗号技術のイメージ

総務省では、2020年度(令和2年度)から地上系の量子暗号通信距離のさらなる長距離化技術(長距離リンク技術及び中継技術)の研究開発を開始した。また、安全な衛星通信ネットワークの構築に向け、量子暗号通信を超小型衛星に活用するための研究開発に取り組んでいる。

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