平成6年版 通信白書

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第1章 平成5年情報通信の現況

(3) 郵便サービス

 ア 国際郵便物数の動向
 5年度の国際郵便物数は、対前年度比 2.5%増の3億 5,158万通(個)であり、対前年度の伸び率でみると、4年度の 2.1%を上回った。
 これを差立(外国あて)と到着(我が国あて)でみると、差立が対前年度比 4.3%減の1億 2,851万通(個)、到着が同 7.1%増の2億 1,728万通(個)であり、到着の増加が国際郵便物数を押し上げる結果となった(第1-1-39図参照)。
 差立の内訳では、国際エクスプレスメール(EMS)は、5年度の取扱数が対前年度比13.8%増の 406万個と順調に伸びたものの、通常郵便物数、国際レタックス物数、小包郵便物数がいずれも前年度を下回った(それぞれ、同 4.8%減、27.5%減、 3.0%減)。
 EMSの取扱国は5年度に21か国増え、6年3月末現在、世界 101か国(地域)となっている。
 イ 国際郵便サービスの改善
 郵政省が5年度に実施した国際郵便サ-ビスの改善のうち、主なものは以下のとおりで、6年1月から実施された(第1-1-40表参照)。
 (ア)  国際エクスプレスメ-ル(EMS)の料金割引制度の拡充
 国際エクスプレスメ-ル(EMS)については、同時割引制度を導入し、1回の差出しが20個以上ある場合には、差出個数に応じて5〜15%の料金割引を実施した。また、月間割引制度については、1か月分を取りまとめた差出しが 100個以上ある場合には、従来から10%の料金割引を行っていたが、6年2月からは1か月分を取りまとめた差出しが50個以上ある場合には、差出個数に応じて5〜15%の料金割引を実施した。
 (イ)  エコノミー航空(SAL)印刷物の重量段階の細分化
 エコノミー航空(SAL)郵便は、外国あての郵便物(小包・印刷物)を日本国内とあて名国内では船便郵便物と同様に取扱い、日本からあて名国までの間は航空輸送するもので、船便と航空便をミックスし、船便より早く、かつ、航空便より安い料金で小包・印刷物を送達するサービスである。
 このうち、エコノミー航空(SAL)印刷物について、より細かい重量段階(従来、 200グラムまでが最低重量段階であったが、[1]20グラムまで、[2]50グラムまで、[3] 100グラムまでの区分を設定した)の料金を設定し、外国にあてるグリーティング・カード等軽量のものにも利用できるようにした。
 (ウ)  航空点字郵便物の料金の無料化
 点字郵便物については、従来の船便扱いのものに加え、航空扱いのものについても無料化した。
 (エ)  国際郵便料金受取人払の郵便物の料金及び手数料の引下げ
 内国郵便の料金受取人払制度と同様に、国際郵便物についても国際郵便料金受取人払のサービスを4年10月から開始し、6年3月末現在、アイスランド・スウェーデン・ベルギー・米国等9か国との間で実施している。
 今回の改善で、国際郵便料金受取人払の郵便物のうち書状の料金を引き下げるとともに、[1]郵便私書箱で料金後納とするもの、[2]郵便私書箱又は料金後納とするもの、[3]その他のものの区分を設け、これまで一律であった手数料をそれぞれの区分に応じたものに改定し、引き下げた。
 ウ 国際郵便料金の調整
 6年1月の内国郵便料金の改定に伴い、書状の低重量段階等が国内料金と同額になる部分等については、料金の引上げを実施する一方、地帯区分の見直しにより、ヨーロッパ地域の料金については値下げを実施し、国際郵便全体としては実質的な料金の引き上げとならないよう調整を行った。この結果、例えば10グラムまでの航空書状の場合、アジア地域・北米地域・ヨーロッパ地域を名あて地とする国際郵便料金は、それぞれ90円(改定前80円)・ 110円(同 100円)・ 110円(同 120円)となった。

第1-1-39図 国際郵便の引受郵便物数の推移

第1-1-40表 5年度に実施された国際郵便のサービス改善

 

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