第1節 情報通信サービスの動向 第2節 情報通信経済の動向
第1節 情報通信サービスの動向 第2節 情報通信経済の動向 第1節 21世紀に向けた情報通信政策の展開 1 新世代の情報通信基盤の整備 2 国土の均衡ある発展のための地域情報化の推進 3 宇宙通信政策の展開 4 生活者・消費者重視の情報通信政策の展開 5 災害対策の推進 6 環境にやさしい社会の実現 7 電気通信産業振興のための環境整備 第2節 多様なサービスの実現に向けた電気通信の展開 1 電気通信事業政策の着実な推進 2 電波利用の促進 第3節 放送政策の新たな展開 1 放送産業政策の推進 3 放送メディアの多様化のために 4 放送ソフトの充実 5 放送の利用格差の是正に向けて 6 放送のデジタル化の推進 第4節 郵便事業・郵便局ネットワークの新たな展開 1 郵便事業運営基盤の整備充実 2 豊かな暮らしづくりに向けた郵便サービスの提供 3 社会の基盤としての郵便局ネットワークの活用 第5節 情報通信に関する国際政策の充実 2 国際協力の推進 第6節 技術開発・標準化の一層の推進 1 次世代を支える技術開発の促進 2 重要性を増す標準化の推進 第1節 情報通信のマルチメディア化がもたらす社会経済への効果 1 マルチメディア化の進展する情報通信 1 情報通信のマルチメディア化における利用・開発動向 コラム 第1章 第2章 第3章 |
第3章 マルチメディアが拓く情報通信の新たな世界（2） 欧州広帯域ＩＳＤＮの実験やそれを利用したアプリケーション実験が各国において計画・推進されている。ア ドイツ (ア) ＢＥＲＫＯＭプロジェクト 広帯域ＩＳＤＮのアプリケーションと端末システムの開発促進等を目的とした実験が1986年からベルリンで実施されており、現在はドイツテレコムの子会社ＤｅＴｅＢｅｒｋｏｍが中心となって行われている。 特に遠隔医療・テレパブリッシング・オフィスコミュニケーションの3分野のアプリケーションの開発に力が注がれている。 (イ) 広帯域ＩＳＤＮパイロットプロジェクト ドイツテレコムでは、広帯域ＩＳＤＮのサービスとアプリケーション、技術及びネットワーク運営の各分野における経験を得るため、ベルリン・ハンブルグ・ケルン／ボンを結んだパイロットネットワークを導入し、1994年から試行プロジェクトを実施している。 イ 英国 (ア) ビショップ・ストートフォードでの実験 ＢＴはビショップ・ストートフォードにおいて、実験のためにケーブルテレビ事業を行う特別免許の付与を受け、1990年から1993年まで、光ファイバを用いた21世紀の商用通信システムのためのデータ収集を目的とする実験を行った。 実験内容は、光ファイバを利用して電話サービスと広帯域サービスを単一ネットワークで提供するものであり、合計301 の事業所と住宅を対象に、電話サービス・ＩＳＤＮサービス・ケーブルテレビ・ステレオＰＣＭ放送・ビデオテックス等の提供を行った。 (イ) ビデオ・オン・デマンド・サービス実験 1991年の白書「競争と選択」は、ケーブルテレビ事業者を保護するため、今後10年間はＢＴによる娯楽サービスの伝送を認めない等の方針を打ち出したが、1993年9月に独立テレビ委員会は、ビデオ・オン・デマンドは娯楽サービスに該当せず、ＢＴは現在の規制下でもビデオ・オン・デマンドを提供できる旨の見解を発表した。ＢＴは、1994年中に約2500世帯を対象にビデオ・オン・デマンドの実験を実施する予定である。 ウ フランス (ア) Ｂｒｅｈａｔプロジェクト 1990年から行われているＡＴＭ実験プロジェクトの一つで、34Mb/sでのテレビ会議、映像伝送及びＬＡＮ間接続を主な目的としたシステムにより、フランス全土をカバーするネットワークとして、実験が行われている。 (イ) Ｒｅｎａｔｅｒプロジェクト 34Mb/sで、フランス国内の200 地区にある教育・研究機関の700 のＬＡＮを接続するもので、1992年から行われている。主にテレビ会議、共同研究作業、遠隔教育に利用されている。1994年には、ＡＴＭ交換機により 140Mb/sの高速サービスが提供される予定である。 (ウ) 一般家庭でのＦＴＴＨ利用実験プロジェクト 通信と放送のマルチサービスを一般家庭に提供することを目的として、国内4地域で、ＦＴＴＣ・ＦＴＴＢ・ＦＴＴＨの各システムにより試行実験が行われる予定である。 エ ＥＵ (ア) ＴＥＮ構想 汎欧州ネットワーク（ＴＥＮ；Ｔｒａｎｓ Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｎｅｔｗｏｒｋ）は、1987年に調印された「単一欧州議定書」で打ち出された構想で、運輸・エネルギー・電気通信のインフラ分野でＥＵ全域にまたがるネットワークを構築しようとするものである。これは、ＥＵとして基盤整備のためのガイドラインを示すために提唱されているもので、ＴＥＮのプログラムとして、ＥＤＩ（電子データ交換）、ＩＳＤＮが検討されている。 また、最近の提案では、汎欧州ネットワークとしてのＩＳＤＮ（ＴＥＮ-ＩＳＤＮ）を推進するために、欧州共通仕様に基づくＩＳＤＮ、いわゆるユーロＩＳＤＮに関する官民アプリケーションの結集、ユーロＩＳＤＮ端末利用の促進等について、検討・開発を行うためのプロジェクトを設けることとなっており、ＥＵの資金援助（利子補給、債務保証）が検討されている。 (イ) ＲＡＣＥ計画 統合広帯域通信網をＥＵ全域に構築すること及び統一規格に基づく電気通信設備及びサービス市場を構築することにより、ＥＵ市場統合の促進を図ることを目的にＲＡＣＥ計画が行われ、ＥＵ加盟国等から350 の機関が研究に参加している。 最初の計画で、基盤技術のコンセプトの明確化、仕様の共通化を行うＲＡＣＥ-1計画は1987年に開始され、現在はＲＡＣＥ-2計画が実行に移されており、遠隔美術館システム、マルチメディア多元システム等95のプロジェクトが実施されており、統合広帯域通信、インテリジェントネットワーク等の研究を行っている。
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