平成6年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 情報通信政策の動向

(5) 移動通信の普及促進

 ア デジタル携帯・自動車電話システム
 アナログ方式に比較して通話品質が良く、多様なサービスの提供が可能なデジタル携帯・自動車電話システムについては、需要の急激な拡大に今後対応していく必要がある。こうした観点から、(財)電波システム開発センター(RCR)において、現在のデジタル方式の自動車電話システムの加入者容量を2倍に増加することを可能にするハーフレート音声CODEC方式について、標準化作業を進めている。5年度は標準規格案の策定を行い、5年11月からは、21機関の参加を得て相互接続試験を実施している。
 イ デジタルMCA
 MCAシステムの加入者増加に伴う周波数資源の逼迫に対応するため、現在のアナログ方式に比べ周波数利用効率が高く、データ通信等の高度なサービスの提供が可能なデジタルMCAシステムを導入するため、郵政省では、5年3月、本システムの導入に必要な無線設備規則等の一部を改正した。5年10月には、制御局の設計に必要となるサービスエリアの条件を明らかにするための実証実験が行われており、6年度の本格的な運用に向け準備が進められているところである。
 ウ 公共デジタル移動通信システム
 国、地方公共団体及び公益事業者が運用する公共業務用の移動通信に対する需要の増加に伴い、公共業務において特に利用度の高い400 MHz 帯を使用し、[1]周波数の利用効率が高く、[2]高速データ通信、音声・データ同時通信等多様な機能の実現が可能な、公共デジタル移動通信システムを導入するため、郵政省では、5年11月、本システムの導入に必要な無線設備規則等の一部を改正した。
 エ 将来の公衆陸上移動通信システム(FPLMTS)
 現在の携帯・自動車電話の発展形態である将来の公衆陸上移動通信システム(FPLMTS:Future Public Land Mobile TelecommunicationSystems)は、通信の究極的な目標である「いつでも、どこでも、だれとでも」通信を可能とするグローバルなパーソナル移動通信を目指しており、ITUにおいて、2000年のサービス開始を目標として標準化活動が行われている。5年11月にスイスのジュネーヴで開催されたITU無線通信総会(RA-93)では、今後2年間の研究委員会(SG)の研究課題として引き続き承認されたところである。我が国においては、ITUにおける標準化活動に積極的に寄与するとともに、欧米等の標準化組織と連携を図る必要性が高まっていることに対応し、5年4月、(財)電波システム開発センター(RCR)に学識経験者、関係電気通信事業者、メーカー等からなるFPLMTS研究委員会を設置し、本格的な検討を開始している。
 

(4)周波数資源の開発 に戻る (6)道路交通情報通信システム(VICS)の推進 に進む