平成6年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2)環境監視のための技術開発

 地球的規模の気候変動のメカニズムを解明するため、地球の水・熱の収支・循環を支配する熱帯域の降雨の状況を観測することが世界的に緊急かつ重要な課題となっている。
 9年度打上げ予定の熱帯降雨観測衛星(TRMM)は、世界で初めて降雨観測レーダーを搭載する衛星であり、日米共同プロジェクトとしてその開発が進められている。現在、郵政省通信総合研究所と宇宙開発事業団が協力してTRMM搭載用降雨レーダーの開発を行っている。
 また、地球的規模の気候変動メカニズムの解明には、長期間にわたるデータの蓄積が必要であることから、観測の継続を確保するための後継機の打上げが求められている。このため、熱帯降雨観測の継続と観測機能の高度化・多様化を図るためTRMM後継機である次世代熱帯降雨観測衛星の搭載センサについて、6年度に搭載用ミッション機器の概念設計等を行うこととしている。
 その他にも、オゾン等の大気中に微量ガス成分を計測する技術、上空の風・気温等を計測する技術、航空機から地表面を高精度に観測する技術等の電波や光を用いた地球環境計測技術の研究開発を拡充して実施することとしている。
 このほか、郵政省通信総合研究所では、今後日本の宇宙開発が本格化し、活発に有人宇宙活動の展開が予想されることから、その安全を確保するための「宇宙天気予報システム」の研究開発を昭和63年度から開始している。

熱帯降雨観測衛星(TRMM)

 

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