平成6年版 通信白書

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第3章 マルチメディアが拓く情報通信の新たな世界

(2) 新世代通信網実用実験プロジェクト

 21世紀に向けたマルチメディア化の一層の進展のためには、高速・大容量の新世代通信網の整備とともに、新世代通信網を利用したアプリケーションの開発等実用実験の推進が必要であり、諸外国においては、新世代通信網の重要性に鑑み、アメリカ合衆国のHPCC、EUの汎欧州ATMパイロット網、ドイツのBERKOM等すでに様々な実用実験の取組が積極的になされているところである。
 我が国では、(財)新世代通信網利用高度化協会の作成した広帯域ISDNの実用実験マスタープランに基づき、関西文化学術研究都市において新世代通信網実用実験協議会が6年夏から2年間の予定で、第一期の普及啓発段階の実験プロジェクトを実施することとしている。
 本プロジェクトでは、実験の中心となる関西文化学術研究都市のけいはんなプラザと、京都・大阪・奈良の各施設を広帯域ISDN網等で結び、大画面ハイビジョン映像を用いた多地点間イベント中継等14テーマの実験を行うこととしている(第3-3-6表参照)。
 具体的には、例えば、「電子カタログを用いたマルチメディア通信販売の研究」は、プラザと通信販売代理店等を広帯域ISDN回線で結び、利用者が通信販売代理店等の端末を通じて、プラザ内の高精細画像データベースから、商品の電子カタログを検索し、発注を行う実験を行うこととしている(第3-3-7図参照)。
 また、「高速LANの研究」では、大量のデータの即時送信を安価に実現できる高速・広帯域のATM-LAN(高速LAN)をプラザ及び各参加企業内に構築し、高速LANを用いた情報通信システムの有効性の実証を行うこととしている。

第3-3-6表 新世代通信網実験協議会(BBCC)における検討プロジェクトの概要

第3-3-7図「電子カタログを用いたマルチメディア通信販売の研究」ネットワーク構成

 

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