平成6年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2) アジア・太平洋地域における国際協力

 ア APTへの対応
 アジア・太平洋電気通信共同体(APT)は、アジア・太平洋地域の電気通信の開発促進及び地域電気通信網の整備・拡充を主たる目的とした政府間国際機関であり、1994年1月現在、加盟27か国、準加盟3地域、賛助加盟員27事業体の計57会員で構成されている。
 1993年11月にインドネシアのバリにおいて、APT第6回総会及び第17回管理委員会が開催され、総会においては今後3年間(1994〜1996年)のAPTの活動方針、年次経費の限度額等が決定され、また管理委員会においては1994年の予算が承認された。1994年の予算について、我が国は全体として前年と同額の41万米ドル(APT通常予算の4割弱に相当)を拠出することとなった。
 このほか、我が国は積極的にAPTを支援する立場から、アジア・太平洋地域の電気通信網高度化のための人材育成に資するため、郵政省ODA予算から80万米ドルの特別拠出を1992年から行っており、これにより研修員の受入れ、専門家の派遣、セミナーの開催等を実施している。
 イ APECへの対応
 アジア・太平洋経済協力(APEC)は、アジア・太平洋地域における経済面における協議と協力の在り方に関する討議の場として、1989年以来開催されており、1993年11月の第5回閣僚会議においては、貿易投資枠組み宣言が出され、アジア・太平洋地域の貿易投資の自由化を促進していくこととなった。
 APECの電気通信専門家会合は、国別・地域別の電気通信情報収集、インフラ整備、人材育成、電子データ交換(EDI)等の導入について検討を進めている。第5回閣僚会議では、電気通信専門家会合による地域内の端末認証手続の共通化、国際VANサービス提供に関する枠組み作成の活動を推奨する旨の宣言がなされた。
 ウ PECCへの対応
 太平洋経済協力会議(PECC)は、太平洋地域における経済協力関係の推進を目的とした官界・経済界・学界で構成される国際的フォーラムである。
 PECCの「運輸・通信・観光(トリプルT)小委員会」は、運輸、通信及び観光の各分野を通じたアジア・太平洋地域の国際協力の実現を目指しており、我が国は同小委員会の主幹事国として、様々なプロジェクトへの取組みに積極的な役割を果たしている。
 エ APPUへの対応
 アジア・太平洋郵便連合(APPU)はUPU憲章第8条に基づく地域的限定連合の一つであり、我が国はAPPUの一機関であるアジア・太平洋郵便研修センター(APPTC)に対し、郵便業務に関するコンサルタントとして職員の派遣等による支援を行っている。
 1993年9月に神戸において開催されたAPPU執行理事会及びAPPTC運営理事会では、APPUとAPPTCの財政、APPU条約の簡素化等について審議を行い、また、国際エクスプレスメール(EMS)の翌日配達の実施と追跡システムの早期構築、マーケティング・センターの構築を含む郵便の地域活動の強化等に取り組むことを決議した。
 

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