平成6年版 通信白書

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第3章 マルチメディアが拓く情報通信の新たな世界

 近年、デジタル技術をはじめとする技術革新等の急速な進展に伴い、文字やデータの情報だけではなく、音声や映像情報についても複合的・一体的に利用し、対話的にやりとりするといったマルチメディア化の動きが進んでいる。
 特に今年はケーブルテレビの双方向サービスの実験に向けた取組の進展、通信機能を有する携帯情報端末の発売、現実感のある3次元映像を楽しめる次世代ゲーム機の発売等マルチメディアをめぐる様々な動きが予想されるなど、各分野でマルチメディア化の動きが本格化することから「マルチメディア元年」といわれている。
 現在の情報通信の利用は、例えば電話による音声通話や地上波放送の視聴のように、伝達する情報の形態や品質に制約があったり、受動的な視聴に限られているが、今後はより高品質で、多様な表現形態の情報を、いつでも、どこでも大量にかつ瞬時に、対話的にやりとりして利用することが可能なマルチメディア化が進展していくと考えられる。
 そこで、本白書においては、情報通信分野において、多様な表現メディアを統合的に利用し、対話的にやりとりできるマルチメディア化の動きに焦点を当て、これを「情報通信のマルチメディア化」として取り上げることとする。
 まず第1節において情報通信のマルチメディア化が進展した場合、21世紀の生活・経済・社会にどのようなインパクトをもたらすかについて明らかにするとともに、次に第2節では現在マルチメディア化の萌芽期にある情報通信がどのように利用・開発され、企業や外国政府がどのように取り組んでいるかを紹介し、最後に第3節においてマルチメディア化の進展に向けて郵政省が積極的に推進している施策等について概観することとしたい。

臨場感通信技術の基礎研究(エイ・ティー・アール通信システム研究所)

 

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