平成4年版 通信白書

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第1章 平成3年情報通信の現況

(2)加入電話のトラヒックによる地域間の情報交流状況

 郵政省では、昭和63年から電気通信事業規則に基づき、電気通信事業に係るトラヒックデータ等について、第一種電気通信事業者から報告を求めている。それによると、2年度の全通話回数は751億回、対前年度比2.5%の伸び率であった。2年度のトラヒックデータのうち各地域の発信回数により、様々なエリアを比較する。
 ア MA(注)内に終始する通話の比率
 同一のMA内に終始する通話の比率を地方別に比較したのが第1-3-15表である。
 最も比率の高いのが沖縄の92%、次いで北海道の78%である。最も低いのは関東で62%、次いで近畿の64%であった。また、全国平均では66.7%である。
 以上から、通話のほぼ7割は同一のMA内で終始しており、一般的に、MAは情報圏として一定の役割を果たしていることがわかる。また、地方においては、比較的MAという小さなエリア内で終始する通話が多く、情報圏としてのMA内の結びつきも密接であるといえる。逆に、首都圏を含む大都市圏ではMAを越える通話が多く、情報圏はMAを越えて広がっている。
 次に、少しエリアを広げて、MAに隣接するMAも含めたエリアを考えると、全国平均では79.9%と、ほぼ8割に達しており、後で述べる都道府県内に終始する通話の比率とほぼ等しくなっている。
 イ 同一都道府県内に終始する通話の比率
 同一都道府県内に終始する通話の比率を見ると、最も高かったのは、北海道の95.7%、次いで沖縄の95.6%、最も低かったのは埼玉で70.4%、次いで千葉の73.7%となっており、MAで見たのと同様な傾向が見られる。また、全国平均では81.9%である(第1-3-16表参照)。
 同一都道府県内に終始する通話の比率が低いのは、関東では埼玉、千葉、近畿では滋賀、奈良など大都市周辺の都道府県が中心となっており、大都市近郊のドーナツ現象、ベッドタウン化等の影響が考えられる。
 また、昭和63年からの傾向では、同一都道府県内に終始する通話の比率に大きな変化は見られないが、全国平均では、昭和63年の82.8%が、元年度は82.4%、2年度は81.9%とわずがながら減少していることが注目される。これは全体として総通話回数が増加する中で、同一都道府県内に終止する通話に比較して、県外通話の伸びが勝っているためである。
 ウ 都道府県間トラヒック交流状況
 都道府県間における加入電話の交流状況を見ると、自県内に終始する通話を除いた他都道府県に向けた通話(総通話回数の約2割を占める)の相手先では、概して、全国的に東京との結び付が大きく、西日本では大阪力吠きくなっている。特に、すでに触れたように、東京、大阪等大都市を抱える都府県の近郊の県では、自県内に終始する通話の比率が小さく、代わって大都市を抱える都府県への通話の比率が著しく大きくなっている。また、各地方では東北の宮城、九州の福岡等地方の中核都市に向けた通話が大きくなっており、地域の情報圏を形成している状況がうかがわれる。
 また、通話の相手先の上位の都道府県について昨年度と比較すると、わずかな差で順位が前後した場合はあるが、概して大幅な変動はなく、傾向は安定している。

第1-3-15表 同一MA内及び隣接MAまでに終始する通話回数の比率

第1-3-16表 都道府県別通話の交流状況(1)

第1-3-16表 都道府県別通話の交流状況(2)

 

 

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