平成4年版 通信白書

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第3章 ゆとりと活力のある情報社会の形成と電波利用

(2)電気通信事業者の提供するサービスの利用

 既に述べたように、電気通信事業者は電波を利用した多様な通信サービスを提供しており、利用者は、目的、経済性等に応じてサービスを導入している。主要な通信サービスについて、特徴的な利用の現状を概観することとする。
 移動通信の分野では、自動車・携帯電話、無線呼出し、テレターミナル等のサービスがある。自動車・携帯電話の特徴は、自動車電話交換機を経由して加入電話網に接続するため、ほぼ一般の加入者電話と同様に利用でき、通話の相手先及び通話時間にも制約がない。このため、比較的安価ではあるが特定の相手との業務用通信に限定されるMCA等業務用の自営通信と比較して広範な分野で利用されている。
 無線呼出しは、呼び出しの信号または簡単なメッセージを一方的に受信機に送信するサービスであるが、簡便で安価な通信システムとして広く普及している。また、各種のセンサと組み合わせて、ビニールハウスの自動監視、セキュリティ利用等様々な応用がされている。
 テレターミナルは、デジタル方式のデータ通信端末であり、アナログ方式の自動車電話に比べて伝送速度が早く、通信品質、信頼性が高いことが特徴である。事務所のコンピュータと端末間のデータ通信、メッセージ通信、データベースの情報提供、POS等に利用されているが、現在のところ東京23区内に利用が限られている。
 衛星通信の分野では、衛星通信の特徴である広域性、同報性、広帯域性を生かして、CATVへの番組配信、社内番組伝送、新聞紙面伝送等動画映像、大量のデータ等を広範囲に一度に伝送する業務に多く利用されている。また、耐災害性、回線設定の容易さ・迅速性を有することから、電気通信事業の地上回線のバックアップ用、セキュリティ関係事業にも利用されている。

 

 

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