平成4年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第3章 ゆとりと活力のある情報社会の形成と電波利用

 我が国では、全国に張り巡らされた加入電話網と中継系に利用されているマイクロウェーブに象徴されるように、今日までに有線系の通信手段と無線系の通信手段とが互いに補完し合い、高度な通信網が形成されてきた。このようなほぼ成熟した通信網の存在を背景として、現在多彩な通信サービスが提供されている。なかでも、近年、自動車電話をはじめとする移動通信の急速な普及に見られるように、電波を利用した無線通信の重要性に注目が集まっている。また放送においても、多メディア・多チャンネル化の流れを促進する重要なメディアである。
 電波は、衛星を介した通信・放送により情報を瞬時のうちに世界的に共有させることが可能であり、情報交流を通じた国際化に貢献すると同時に、「いつでも、どこでも、だれとでも」という通信の究極の目標を達成するための不可欠なツールともなっている。また電波は、通信や放送以外にも、家電、医療から測量、地球環境保全まで幅広い分野で活用されている。
 このように電波は、今や快適な日常生活を送る上で欠くことのできないものとなっており、電波利用に対するニーズは、今後ますます増大すると考えられる。しかし一方で、電波は限りのある希少な資源であり、これを有効に活用していくこともまた重要である。
 本章では、豊かさを等しく実感できる国民生活を実現するための、ゆとりと活力のある情報社会の形成に向けて、電波が今後果たすべき役割と課題について論じていくこととしたい。

 

 

第2章第6節3 郵便局ネットワークの活用による地域・国際社会への貢献 に戻る 第3章第1節1(1)電波利用の歩み に進む