平成4年版 通信白書

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第3章 ゆとりと活力のある情報社会の形成と電波利用

(2)衛星通信、衛星放送技術の開発

 ア 衛星通信技術の開発
 衛星通信は、広帯域性、同報性等の特徴を持つことからCATVの番組配信等映像の伝送を中心に利用されている。今後、衛星通信の一層の普及を図るためには、帯域圧縮技術による回線の有効利用、衛星中継器の高出力化、衛星搭載アンテナの大型化等による地球局の小型化などを行い、システム全体のコストの低下を図ることが必要である。
 将来は、衛星通信における広帯域ISDN、高品位のテレビ電話、移動衛星通信と測位業務を複合したサービス、立体映像伝送等の実現が期待されており、そのために静止プラットフォーム型衛星、低軌道周回衛星、衛星間通信技術等の研究開発が必要である。
 また、衛星通信の信頼性向上のための技術に、同一の軌道上に複数の小型衛星を打ち上げ、大型衛星と同じ機能をもたせるクラスタ衛星技術があり、研究開発が必要である。
 イ 衛星放送技術の開発
 衛星放送では、放送衛星によるテレビジョン放送、PCM音声放送、ハイビジョン試験放送が行われているほが、通信衛星によるテレビジョン放送、PCM音声放送も開始され、多メディア・多チャンネル化が進展している。現在、放送を受信するためには衛星ごとにパラボラアンテナやデコーダを必要とするが、複数の衛星を受信できるマルチビームアンテナや複数のスクランブル方式に対応するデコーダの開発等、利用者の利用しやすい機器の開発が必要である。
 さらに、今後は電気通信の各分野におけるデジタル化の進展に伴い、放送分野においてもデータ放送の実施、映像も含め、音声、データを同時に送れるISDB(統合デジタル放送)の開発など、ISDNやコンピュータ通信も視野に入れた技術開発が求められているほか、将来は移動体に対する衛星放送サービス、立体テレビ等の次世代テレビの実現なども期待されており、そのための技術開発が必要である。

 

 

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