平成4年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(4)インテルサット及びインマルサットの動向

 国際電気通信衛星機構(インテルサット)においては、旧ソ連及び東欧諸国のインテルサットへの加盟促進と、急速に変化している電気通信環境への対応が大きな課題となっている。
 1991年4月には、我が国では初めての開催となる、署名当事者総会第21回会合が神戸において開催され、旧ソ連及び東欧諸国の加盟状況(ルーマニアが加盟済み、その後、旧ソ連が加盟)が報告されたほか、インテルサットを取り巻く環境の変化に対応して大容量のインテルサットVII号衛星を調達した等の報告がなされた。
 一方、国際海事衛星機構(インマルサット)においては、1991年9月に、世界中どこからでも使用できるポケットサイズの衛星電話サービスを今世紀末までに導入するという、「プロジェクト21」という事業計画を発表した。
 インマルサットのサービス領域は、従来、船舶の利用が主流であったが、1989年に発効した改正条約により航空機における利用が可能となっており、さらに、同年の条約改正により、陸上における使用が見込まれる状況となっている。「プロジェクト21」はこの動きにつながるものであり、インマルサットのサービス領域を、移動通信全体に本格的に拡大するものである。
 また、1992年2月1日に全世界で導入された「海上における遭難及び安全の世界的な制度(GMDSS)」は、従来のモールス通信が主体のシステムを、インマルサットシステム等を利用することで高度化するものであり、ほとんどの海域において、確実にかつ簡単な操作で陸上の捜索救助機関に連絡できる手段として、世界各国の船舶において幅広く力を発揮するものと期待されている。我が国の船舶としては、1992年2月に竣工したKDDの海底ケーブル敷設船が、GMDSS導入船舶第1号となっている。
 なお、1992年にはデジタル化に対応した大容量の第2世代衛星が、全海域において運用を開始する予定であり、1994年前後には、直径60cm程度の小型アンテナでも受信可能なインマルサットM型の導入も予想されることから、船舶におけるインマルサットシステムの利用が、更に促進されるものと期待されている。

 

 

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