平成4年版 通信白書

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第3章 ゆとりと活力のある情報社会の形成と電波利用

1 電波利用基盤の整備の促進

 (1)増大する電波利用ニーズに対応した基盤整備の必要性

 我が国においては、現在、その経済規模に見合った真に豊かさを実感できる社会の実現が求められているが、電波は、このような社会の構築に大きな役割を果たすものと期待される。
 3年6月に公表された経済審議会2010年委員会報告書では、これからの我が国の経済社仝を取り巻く潮流として、次のような変化を指摘しており、これから目指すべき社会として、地球化時代にふさわしい社会の構築、安心して暮らしを味わえる社会の構築が必要であるとしている。
[1] ヒト、モノ、カネ、情報等あらゆるものが国境を越えるボーダレス化、地球化が進展する。また、国際社会に占める日本の存在が大きくなるにつれ、責任の重さも増大する。
[2] 人口動態が大きく変化し、総人口が2010年頃をピークに減少に転ずるとともに、高齢化もこれまで西欧諸国が経験したことのない急速なテンポで進み、その水準自体世界で最も高いものとなる。
[3] 人々がゆとりや豊かさを味わい楽しもうとする傾向が一層強まり、個性化が進む中で多様な選択肢が提供され、その中から個人のニーズに応じた選択を行おうとするようになる。
[4] 科学技術の進歩やそれによってもたらされる情報化がさらに進展する。また、生活面を重視する傾向の強まりに伴い、人間の生活や環境等と密接な関連を有する科学技術が進歩していく。
 以上のように、これからの国民生活やそれを取り巻く社会・経済環境の変化を概観すると、今後の情報通信にとっても、一人一人の個性に合わせて選択性・多様性を持たせることや、時間や場所に制約されない自由な情報の受発信を可能とすること等、より高度でかつ柔軟な利用形態の提供が必要となると予想される。
 電波を利用した情報通信は、国境を問わず多くの人々の間で瞬時のうちに情報を共有させることを可能とするとともに、「いつでも、どこでも」個別のニーズに合致した必要情報を入手・提供したり、「いつでも、どこでも、だれとでも」情報の受発信を行うという通信の究極の目標を達成することが可能であり、上で述べたこれから目指すべき社会の構築に大いに貢献するものである。このため、これからの時代の要請に応え得る電波利用サービスが全国どこでも享受できるような基盤整備を進めていくことが重要となってきている(第3-2-1図参照)。

第3-2-1図 社会・経済環境の変化と電波利用ニーズとのかかわり

 

 

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