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第2章 情報通信政策の動向(2)通信のパーソナル化に向けた標準化近年、社会環境や生活様式の変化等に伴い、個人の価値観が多様化してきており、電気通信サービスについても、利用者は、従来の画一的なサービスではなく、個人のライフスタイルやしこうに合ったサービスを求めるようになっている。このような通信のパーソナル化を求める動きに対応するため、郵政省では、3年1月から「通信のパーソナル化に関する調査研究会」を開催し、通信のパーソナル化に対する二-ズ、技術の動向、標準化の現状、課題等の検討を進めており、同調査研究会は3年8月に報告を行った。この報告によると、通信のパーソナル化のためには、個人を指定するための個人通信番号の在り方に関する検討が必要であり、技術面では高度な機能を誰でも簡単に使えるためのヒューマンインタフェース技術、相手を確実に指定するための認証技術、高度な機能を実現するネットワーク技術が特に重要であるとしている。同時に、通信のパーソナル化を進めるためには、ネットワーク、ネットワーク間のインタフェース、ネットワークと端末とのインタフェース、さらに、様々な端末の操作方法の統一など、標準化が必要不可欠であるとしている。 一方、電気通信分野の国際的な標準化を行っている国際電気通信連合(ITU)の国際電信電話諮間委員会(CCITT)においても、この分野の重要性から2年7月から「UPT(ユニバーサルパーソナル通信)」として標準化活動が開始されており、サービスの定義、番号計画、ネットワークの持つべき機能、交換・信号方式等の標準化が進められている。 郵政省では、従来、それぞれの分野からこれらの活動に積極的に寄与してきているが、「通信のパーソナル化に関する調査研究会」の報告の内容を踏まえつつ、CCITTへの積極的な寄与を行うために、3年9月に電気通信技術審議会の下に、ネットワーク機能、サービス定義、番号計画等の総合的な検討を行う場としてUPT分科会を設置し、UPTに関する総合的な検討を進めている。
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