平成5年版 通信白書

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第1章 平成4年情報通信の現況

(3) 郵便サービス

 ア 郵便物数の動向
 4年度の内国郵便物数は、前年度より約4億5千万通増加し、対前年度比 1.9%増の 243億通(個)であった(第1-1-28図参照)。
 内国郵便物数は、昭和57年度から3年度まで、年平均 5.0%で増加してきたが、経済の低迷により4年度の伸び率はそれを下回っており、伸び率は鈍化している。
 内国郵便物数の98%を占める通常郵便物数は対前年度比 1.9%増の238 億通となったが、3年度の対前年度増加率 4.8%を下回っている。
 さらに、通常郵便物の内訳をみると、普通郵便物数が同 2.4%増の194 億通、年賀郵便数が同 1.1%増の37億通となっているが、ともに3年度の対前年度伸び率(各々 4.7%、 4.2%)を下回っている。
 また、小包郵便物数は、昭和57年度から3年度まで年平均12.8%の伸び率で増加し、特に昭和61年度以降は3年度まで年平均20.1%と高い伸び率で増加してきたが、4年度は4億個で、対前年度比 4.4%の増加にとどまった。
 イ 郵便サービスの改善
 (ア)  郵便料金の利用者区分割引制度の改正
 郵便料金の利用者区分割引制度は、郵便局における作業の軽減を図る観点から、第一種・第二種郵便物及び国際通常郵便物について、利用者が区分等をして差し出した場合に郵便料金を減額する制度である。
 4年度においては、利用者のニーズに対応するとともに、郵便業務の一層の効率化・平準化を図る観点から、4年7月より、内国郵便については、[1]差出人が郵便物の送達に時間的余裕を持たせることを承諾した場合には、更に料金を減額する特別減額制度の新設、[2]郵便物の区分方法について、差出郵便局長の指定するところによる区分から、配達郵便局別の郵便番号ごと又は差出郵便局長の指定するところによる郵便番号ごとの区分への変更、[3]料金減額率について、区分口数に応じた料金減額率から、区分方法・差出通数に応じた料金減額率への変更を行い、国際郵便については、地帯別区分から、国別又は地域別区分への変更を行った。
 (イ)  小包郵便物等の損害賠償額の限度額の引き上げ
 利用者のニーズに対応するため、4年11月より、[1]小包郵便物の損害賠償額の限度額を4千円から6千円に、[2]現金以外の物を内容とする書留郵便物の損害賠償額の限度額を 200万円から 500万円に、[3]簡易書留郵便物の損害賠償額の限度額を5千円から8千円に引き上げた。
 (ウ)  社会福祉事業のための寄附金を内容とする郵便物の料金免除
 社会福祉の増進に一層貢献していくため、4年5月より、共同募金会、共同募金会連合会、日本赤十字社等社会福祉の増進を目的とする事業を行う法人又は団体にあてた寄附金を内容とする郵便物の料金を免除することができるよう改正を行った。
 料金免除は、[1]書留以外の特殊取扱としないものであること、[2]表面の見やすい所に「寄附金用」と記載したものであることの条件を具備し、かつ現金を内容とする通常郵便物の料金(特殊取扱の料金を含む。)につき行うこととし、取扱期間、受取人その他の必要な事項については、公示することとしている。
 (エ)  ボイスパックサービスの試行実施
 多様化・高度化する利用者のニーズに対応した新しい郵便サービスとして、4年2月より、東京中央郵便局等全国19局において、声のメッセージを郵送できるボイスパックサービスを試行実施している。
 このサービスは、利用者が郵便局でボイスパック(音声録音装置付便せん)を購入し、郵便局に設置されたボイスレコーダー(ボイスパックに音声メッセージを録音するための専用の機器)を使い、ボイスパックに直接自分のメッセージを入力し、郵便物として差し出すものである。
 (オ)  コンピュータ発信型電子郵便の改善
 コンピュータ発信型電子郵便とは、利用者から、受取人の住所・氏名、通信文等を一定のフォーマットに従って記録した磁気テープやフロッピィディスクを引き受けるか、又は利用者のコンピュータから取扱郵便局のコンピュータへオンラインで送信を受け、取扱郵便局でコンピュータ等を用いて通信文用紙に印字し、封入封かんの上、一般の郵便物と同様の方法により送達するもので、昭和60年6月より取扱いを開始している。
企業内のOA化の進展とともに、省力化の観点から近年取扱数は増加傾向にあり、4年度には 572万通に達している(第1-1-29図参照)。
 さらに5年度より、利用者のニーズに対応するため、従来の通信文用紙の4種類の大きさ(A3判、B4判、A4判及び4連式郵便振替用紙の大きさのもの)に加えて、国の歳入金を徴収するときに使用する納入告知書用紙の大きさのものも使用できるようにサービスを改善することとしている。
 ウ 郵便施設
 4年度末の郵便局数は、対前年度末比 0.5%増の2万 4,303局であり、郵便ポストの設置数は、3年度末現在16万 1,620本(対前年度末比 0.4%増)となっている(段1-1-30図参照)。
 また、大都市における郵政窓口サービスに対する需要に応えるため、窓口事務量の著しく多い東京都区、横浜市、名古屋市、大阪市の中心部に、百貨店、旅行代理店等に委託して、大都市型簡易郵便局(シティ・ポスト)を4年度末現在で19局設置している。
 エ 第三種郵便物制度の円滑な運営のための措置
 第三種郵便物制度の円滑な運営を図るため、4年11月より、第三種郵便物の認可をした定期刊行物がその条件を具備しているかどうかを、毎年1回認可年月日の応当月に監査を行う定期監査の実施、第三種郵便物を同時に3千通以上差し出す場合、その差出郵便局は、原則として定期刊行物提出局とする差出方法の変更等の改正を行った。
 また、第三種郵便物の認可の申請、定期監査等に係る定期刊行物の発行部数、発売部数等の調査業務を行わせる指定調査機関として、財団法人郵便文化振興協会を指定した。
 オ 小包郵便物料金の改定
 小包郵便物の料金は、昭和55年10月の改定以後、昭和58年の13%程度の値下げ及び元年の消費税転嫁のための料金改定を除き、11年間据え置いてきた。国民生活における小包郵便物の重要性にかんがみ、サービスの改善による取扱数の増加推進、業務の効率化等に努めてきたが、諸経費の増大により、小包郵便物の収支において赤字が増加したことから、収支の改善を図るため、4年11月より、平均18%程度の値上げを行った。

第1-1-28図 内国郵便物数の推移

ボイスパックサービス

第1-1-29図 コンピュータ発信型電子郵便の引受物数の推移

第1-1-30図 郵便局及び郵便ポスト設置数の推移

 

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