平成5年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2) アジア・太平洋地域における国際協力

 ア APTへの対応
 1992年11月にタイのバンコクにおいて、アジア=太平洋電気通信共同体(APT)第16回管理委員会が開催され、1993年の予算が承認された。
同会合において、我が国全体としては、41万米ドル(APT通常予算の4割に相当)を拠出することとされた。我が国は、郵政省ODA予算からアジア・太平洋地域の電気通信網高度化のための人材養成に資するため、80万米ドルの特別拠出を行っており、これにより、研修員の受入れや専門家の派遣が行われた。
 また、この特別拠出により、1993年2月にAPTと郵政省の共催により、アジア・太平洋地域におけるデジタル化を促進し、各国の良好な電気通信網の整備に協力することを目的として、デジタル化セミナーが実現した。
 さらに、第16回管理委員会においては、我が国からAPT事務局長が選出されるなど、我が国に寄せられた各国の期待に応えていくことがますます重要になっている。
 イ APECへの対応
 アジア・太平洋経済協力(APEC)は、アジア・太平洋地域における経済面での協議と協力の在り方についての討議の場として、1989年以来開催されているものであり、1992年9月の第4回閣僚会議においては、APEC事務局及び基金の創設をうたったバンコク宣言を採択し、活動基盤が整備された。
 1990年5月の高級事務レベル会合において、7番目の専門家会合として採択された電気通信専門家会合は、現在、各国・地域別の電気通信情報収集、テレポート、人材育成及び電子データ交換の四つのプロジェクトについて検討を進めている。第4回閣僚会議においては、香港及び台湾(呼称:チャイニーズ・タイペイ)の電気通信事情に関するデータ、人材養成のマニュアル、ガイドライン及びテレポートに関するレポートが発表された。
 ウ PECCへの対応
 太平洋経済協力会議(PECC)は、太平洋地域における経済協力関係の推進を目的とした政府、経済界、学会の三者で構成される国際的フォーラムであり、9の小委員会を有している。
 運輸・通信・観光(Triple-T)小委員会は、太平洋地域の経済的発展のため、運輸・通信・観光分野の役割の検討、地域内における具体的な政策協力の提案等を通じ、環太平洋地域での国際協力を推進している。
 1992年7月に福岡において、我が国で初めてTriple-T小委員会国際会議が開催され、電気通信のテレポートを中心に空港、港湾等を有機的に組み合わせ、開発途上国の経済発展に貢献する「Triple-T Port プロジェクト」の報告等が行われた。同プロジェクトは、郵政省が1990年10月から1992年3月の間に開催した「開発途上国におけるテレポートシステム調査研究会」と連携をとって進められたものであり、開発途上国の強い関心を集めた。
 エ APPUへの対応
 アジア=太平洋郵便連合(APPU)は、UPUの地域的限定連合として1962年に設立されたものであり、我が国は1968年の加盟以来、積極的な対応を行っており、アジア=太平洋郵便研修センター(APPTC)に対しても、郵便に関する専門的知識を有する職員をコンサルタントとして派遣するなどの支援を行っている。
 1992年9月にはAPPU執行理事会及びAPPTC運営理事会がインドのニューデリーにおいて開催され、APPUの財政やAPPU憲章等連合文書の簡素化等について審議を行い、アジア・太平洋地域内におけるEMS交換に関する決議を採択した。
 なお、1993年9月には、次期APPU執行理事会及びAPPTC運営理事会が、我が国で開催される予定である。

 

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