第2章 情報通信政策の動向
(2) GATTの動向
1986年に開始したウルグアイ・ラウンドにおいては、世界貿易におけるサービス部門の比重の高まりを反映して、サービス貿易交渉(GNS)が新たに開始され、サービス貿易の自由化のための交渉が行われている。 この交渉は、サービス貿易の一般的ルールとしての枠組協定の作成、各サービスごとの特殊性を反映した分野別附属書の作成及び各国が具体的な自由化約束を記載する譲許表作成のための二国間交渉の三つの部分から構成される。 現在は、1991年末に、事務局長より提示された枠組協定と分野別附属書の案を基にして、各国が協定発効当初に譲許表に記載する自由化約束を決定するために、それぞれ二国間で交渉するいわゆる初期コミットメント交渉が行われている。 通信分野についても、電気通信の世界貿易に占める重要性及び経済活動における基本的インフラとしての性格を考慮し、電気通信のアクセス及び利用についての特則を定める電気通信附属案が作成された。譲許表の作成については、高度通信サービスについて自由化約束を記載することで、先進国間にコンセンサスができてきており、現在は、基本電気通信サービスの自由化の問題に議論が移行してきている。 我が国としても、電気通信附属書の作成、初期コミットメント交渉等に積極的に参加している。
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