平成5年版 通信白書

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第3章 映像新時代を迎える情報通信

(3) 技術開発の促進

 映像新時代においては、時間と空間を超越するという電気通信の効果が限りなく向上するものと考えられる。このためには、コミュニケーションの窓口となるディスプレイの臨場感を向上させることが不可欠であり、この観点からも、立体映像やバーチャルリアリティ技術の応用が急務の課題になっている。
 また、このような大容量情報の処理や伝送を安価に可能にするための端末機器及び伝送装置等の開発はもちろんのこと、操作が極めて簡単で誰もが気軽に利用できるようなシステムの開発が必要である。
 さらに、カラーテレビ電話機能と高い情報処理機能等を併せ持ち、これまでにない新しいサービスの提供が期待される携帯型マルチメディア端末のように、広帯域の無線通信網の整備を必要とするパーソナルメディアの普及を実現するためには、周波数資源が有限であることから、新たな周波数資源の開発と既存周波数帯の一層効率的な利用技術の確立が肝要である。そして、このような先端的な技術開発分野には、莫大な投資が必要であり、政府による先導的な開発のみならず、投資及び研究の効率化の観点から、産・学・官の密接な協力体制の構築と国際協力の推進が必要である。そして異なる製造事業者等によって製作された端末間の通信を確実に成立させ、消費者の利便性を向上させる観点等からも、端末間の互換性等に関する国際標準の作成が不可欠であることは言うまでもない。このような理由から、ITU等の国際機関を活用するなど、国際社会の発展に向けた協調体制の構築等に対する積極的な貢献が求められている。

 

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