平成5年版 通信白書

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第1章 平成4年情報通信の現況

(3) 国際郵便サービス

 ア 国際郵便物数
 国際郵便物数は昭和61年度以降3年度まで、年平均 6.2%の伸び率で順調に増加してきたが、経済の低迷の影響もあり4年度の国際郵便物数は対前年度比 2.1%増の3億 3,455万通(個)と伸び率が鈍化している。
 これを差立(外国あて)と到着(我が国あて)に分けてみると、差立は対前年度比 0.4%増の1億 3,164万通(個)、到着は対前年度比 3.2%増の2億 291万通(個)となっている(第1-1―39図参照)。
 通常郵便と小包郵便とに分けてみると、通常郵便は対前年度比 1.8%増の3億 2,376万通、小包郵便は対前年度比 4.2%増の 549万個であった。
 また、昨今の社会経済の国際化によるニーズの高度化の進展を反映して、EMS(4年10月より国内名称を「国際ビジネス郵便」より「国際エクスプレスメール」に変更)の伸びは好調であり、4年度の取扱数は、対前年度比18.3%増の 529万通となっている。なお、EMSの取扱国は4年度において7か国増え、5年3月末現在、世界84か国(地域)となっている。
 イ 国際郵便サービスの改善
 (ア)  高品質な国際郵便システムの構築
 現在EMSサービスについて、利用者の基本的ニーズである郵便物の追跡調査を可能にするため、コンピュータを駆使した追跡システムを導入し、5年3月末現在、欧米等7か国との間で追跡データの交換を行っており、更に10か国(地域)と試験中である。
 一方、アジア諸国との間では、我が国が交換しているEMS郵便物の3年度におけるシェアは、差立の52%、到着の73%と非常に大きく、追跡システムの早期構築に対する利用者からの強い要望があるが、関係国の経済的事情等もあり、同システムの構築は非常に困難な状況にある。
 こうした状況のもと、追跡システムの構築を始めとする国際郵便分野の情報化を推進するため各種の施策を行っている万国郵便連合(UPU)より、我が国に対し同システムのアジア諸国への早期導入に必要な財源の拠出が要請されてきた。
 これに対応して郵政省では、UPUの任意基金への資金拠出を行うことにより、アジア諸国へのシステムの早期導入を支援し、我が国と関係諸国との間で交換されるEMSの品質向上に資することとしている。当該基金により、5年度以降、我が国とEMSを交換しているアジア諸国10か国に対し年間2か国程度にシステムが構築される予定である。
 (イ)  国際郵便料金受取人払制度の創設
 国際郵便料金受取人払制度は、内国郵便の料金受取人払制度と同様のサービスで、一定の大きさ、重量の国際郵便物について、所定の利用条件等を満たし、利用者の住所又は居所の郵便配達を受け持つ郵便局長等から承認を受けた国際郵便物の受取人が、あらかじめ郵便物に所定の表示をして、郵政省の承認を受けた場合には、受取人が郵便料金と手数料を納付して当該郵便物を受け取ることができる制度である。
 4年10月より取扱を開始し、5年3月末現在、アイスランド、スウェーデン、ベルギー、米国等9か国との間で実施している。

第1-1-39図 国際郵便の引受郵便物数の推移

EMS(国際エクスプレスメール)

 

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