平成5年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 情報通信政策の動向

第3節 放送政策の新たな展開

 1 放送メディアの多様化に向けて

 (1) 放送衛星3号(BS-3)後継機の段階における衛星放送の在り方について

 郵政省では、放送衛星3号(BS-3)後継機の段階における衛星放送について、3年7月、放送普及基本計画を変更し、放送を国民に最大限に普及させるための指針を定めた。
 このBS-3後継機の段階における衛星放送の在り方の決定は、今後、我が国の基幹的放送メディアの一つとして発展することが期待されている衛星放送の在り方を長期にわたって方向付ける重要な政策課題であるため、多角的かつ十分な検討を行う必要がある。このため、4年4月、BS-3後継機の段階における衛星放送の在り方について電波監理審議会に諮問した。
 同審議会では、4年4月の諮問以来、衛星放送等の現状、衛星放送技術等の現状、諸外国の衛星放送事情等について審議を重ねるとともに、4年8月から9月にかけて、一般有識者に対するアンケ-トを実施、4年10月から12月にかけて、放送事業者等関係者からの意見聴取を実施した。
 また、電波監理審議会の審議に資するため、「衛星放送制度問題研究会」、「衛星放送技術の長期ビジョンに関する研究会」及び「ハイビジョン放送研究会」の3研究会を開催し、4年12月に報告書をまとめ、電波監理審議会に報告した(「衛星放送技術の長期ビジョンに関する研究会」については、中間報告書)。
 「衛星放送制度問題研究会」報告書においては、BS-3後継機段階の衛星放送の目的・理念、BS-3後継機段階における衛星放送制度の在り方等について検討を行い、放送内容、経営財源、マスメディア集中排除原則、多重放送等のBS-3後継機段階における衛星放送制度の在り方について提言を行った。
 「衛星放送技術の長期ビジョンに関する研究会」中間報告書においては、衛星放送の1中継器で多数の番組を同時に放送する「多チャンネル化技術」についてBS-3後継機段階での実現可能性等について技術的側面から検討を行った。
 その結果、9年ごろまでに、多チャンネル化技術を導入することについては、技術的課題があることから慎重な検討が必要であるとしている。
 「ハイビジョン放送研究会」報告書においては、ハイビジョン放送の在り方と普及のための課題等について検討を行った。
 ハイビジョン放送の在り方については、次世代の基幹的映像メディアのひとつとして、その普及を図ることが望ましいとしている。
 5年3月現在、電波監理審議会は、上記3研究会の報告、一般有識者に対するアンケ-ト調査結果、関係者からの意見聴取結果等に基づき、「BS-3後継機の段階における衛星放送の在り方」について、審議を進めている。

 

(5)GMDSSの推進 に戻る (2)ハイビジョンの普及促進 に進む