平成5年版 通信白書

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第3章 映像新時代を迎える情報通信

(2) 「国境を越えるテレビ」

 今日、衛星技術の進歩によりいわゆる「国境を越えるテレビ」が出現してきており、欧州では1989年にEC指令を作成・公表し、これを一定の基準の下で相互に認め合うこととしている。一方、アジアにおいても、広範囲なサービスエリアの衛星により、多国間にまたがるいわゆる「国境を越えるテレビ」が出現してきている。
 特に、アジア地域における「国境を越えるテレビ」としては、アジアサット社の衛星を利用した香港のスターTV、インドネシアのパラパ衛星によるサービス等が行われている。また、中国、韓国、タイ等においても衛星を利用したテレビジョン放送の検討が行われている。
 スターTVは、中国等を対象とした北ビーム(5チャンネル)とタイ、インド、イラン等を対象とする南ビーム(6チャンネル)の二つの方向に対して5テレビ番組配信サービスを行っている。アジアサットのビームは、東西はエジプトから極東付近まで、南北はインドネシアからシベリアにまで及ぶといわれ、27億の人に視聴される可能性を有しているとされる(第3―3―3図参照)。
 このため、郵政省では、いわゆる「国境を越えるテレビ」について、我が国としての対応の在り方等について多角的に調査研究するため、4年10月から5年3月まで「放送分野の国際化に関する調査研究会」を開催し、諸外国における「国境を越えるテレビ」の動向、我が国における「国境を越えるテレビ」への取組の在り方について、検討を行ってきたところである。
 同研究会の報告では、我が国の社会・放送秩序と整合性が図れるものについては、一定の条件の下に国内の放送に準じるものとして認知するよう提言している。

第3-3-3図 アジアサット衡星の受信可能地域

 

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