平成5年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

2 電波利用の促進

 (1) 電波利用料制度の創設

 ア 電波利用の現状と電波利用料制度の創設
 近年の技術革新の進展に伴い、我が国の電波利用は、移動体通信を中心に拡大の一途をたどっており、4年12月末現在、無線局数は、821 万局に達している。
 これに伴い、
[1] 急増する不法無線局への対応
[2] 電波行政事務の増大による免許申請処理等の遅滞への対応
は、電波行政に課された緊急の課題となっている。
 これらの課題を解決するための諸施策に要する費用については、その直接の受益者たる免許人に負担させることが費用負担の公平の観点から適当であることから、「電波法の一部を改正する法律」(4年6月公布)により、5年4月から電波利用料制度が創設されたものである。
 電波利用料は、無線局の免許を受けた者から徴収され(国並びに地方公共団体が開設する消防及び水防の用に供する無線局については適用除外。地方公共団体の開設する防災の用に供する無線局については、電波利用料を軽減する。)、以下の事務の処理に要する費用に充てることとされている。
[1] 電波の監視及び規正並びに不法無線局の探査
[2] 総合無線局管理ファイルの作成・管理
 イ 電波利用料を財源とする施策
 (ア)  電波監視施設等の整備
 不法無線局の迅速な探査のためには、きめ細かに配置された電波監視施設をネットワークで結ぶことにより、電波監視体制の一層の整備を図ることが必要である。電波監視施設は、今後移動通信の導入が進む3GHz まで探知周波数を拡大するとともに、不法無線局の位置を特定できる設備を地方中枢都市までを念頭に5年度から9年間で計画的に整備することとしている。
 また、上記の設備の整備が遅れる地域等に、超短波帯以上の電波を固定監視できる設備を段階的に整備することとしている。
 (イ)  総合無線局監理システムの構築
 無線局の急増に対処するため、無線局の周波数、空中線電力等の諸元をデータベース化し、大型コンピュータを活用して無線局監理事務の効率化を図るシステムを構築することとしている。
 当該システムの導入により、周波数、空中線電力、検査結果等の無線局に関する諸元が一元的に管理され、これらの検索、照合、帳票作成等が迅速化するとともに、事務処理を電算化することにより、無線局監理事務の効率化が図られ、また、この結果として審査事務等の迅速化が図られる。

 

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