平成7年版 通信白書

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コラム

コラム8 ノースリッジ地震(米国)について

 1994年1月17日、米国ロサンゼノレス市ノースリッジ地区を震源とするマグニチュード6.8の「ノースリッジ地震」が発生し、61名が死亡、約1万数千の建物がり災するなど、同地区を中心に大きな被害が生じた。
 6年6月にとりまとめられた我が国政府の調査団の調査報告書から、情報通信に関する被災及び復旧状況等を紹介する。

1 電気通信関係

(1)長距離系通信事業者

 AT&Tでは、シャーマンオークスにある国際関門局及び長距離中継用交換局において、商用電源が停止し、この際、補助電源装置への切替え装置が故障したため、電源断により交換機能に障害が生じたが、約9時間後に復旧した。なお、ケーブ類の伝送路は、地震対策として全て管路に収容しており、障害はほとんど発生しなかった。

(2)地域系通信事業者

 ベル系地域電話会社のパシフィックベルでは、シャーマンオークスの市内交換局等31の建築物に被害があったほか、局間を結ぶ光ファイバが、隣に設置されていたガス管の火災により損壊し、通信断となったが、約3時間後に回復した。
 独立系の地域電話会社のGTEでは、パイコマの交換局の建物が損壊し、通信機能がまひしたほか、加入者ケーブルの障害等により、約4万から4万5千人の住民へのサービスが停止したが、当日中にうち3万5千のサービスが回復、残りも数日で回復した。

(3)移動系通信事業者

 ロサンゼルスとその周辺地域をサービスエリアとする携帯・自動車電話会社であるパクテンセルラーでは、建物の損壊等により4局の無線基地局が半日から5日間にわたり停波したが、隣接の基地局によりカバーしたため、サービス提供には支障はなかった。

2 放送関係

 地上系放送事業者については、放送局には特段の被害はなく、また商用電源の停電の際、予備電源に切替えられたため、放送への影響はなかった。
 ケーブルテレビ事業者については、ノースリッジ周辺にサービス提供を行っているCVI社に、2つのハブサイトの破壊等の被害が生じたが、2日目で約50%が復旧し、2週間後には破壊されたハブサイト以外についてサービスはほぼ復旧した。



 

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