平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

6 グローバル化

 企業や研究機関の活動が国際的な広がりを見せるに伴い、インターネット等のグローバルな情報通信の利用が進んでいる。ここでは、インターネットを利用した国際会議の開催及び海外企業とのソフトの共同制作の事例をとりあげる。
 

(1)  インターネットを利用した国際会議


 6年12月7日から17日まで、三重県の大学の医学部の主催でインターネットを利用した「インターネット生物医学国際会議」が開催された。
 この会議は、研究発表の演題の募集から、発表、討議までの全過程をインターネットのネットワークを通じて行うもので、今回登録された研究発表の演題の合計 153のうち、海外からは12か国、38の研究発表の登録があった。10日間の会期中のアクセス数は、世界30か国から約7万回に及び、活発な討議が展開された。
 応募された演題は、WWWサーバ上で公開し、内容を見るためにはモザイク等のWWWのクライアントソフトを利用する。意見、質問等は、電子メールで受け付け、演題ごとにWWWサーバ上で公開し、討議を行う。
 発表内容には、テキストに加えて、写真・CG等の静止画、動画を利用することが可能となっている。
 今回の会議の効果としては、地方都市に位置する大学が国際会議を主催することが可能となり、地方都市における大規模な会議の開催に伴う会議場や宿泊施設の準備等の課題を克服できたこと、開催準備にかかる時間や経済的負担等が大幅に軽減されることにより、国際会議をタイムリーに開催し最新の学問情報を交換できること、情報が公開されるために、医学分野以外の人の参加による学際的な交流が期待できること等が上げられている。
 

(2)  インターネットを利用したソフトの海外との共同制作


 インターネットを利用して海外の企業とソフトの共同開発を行い、作業の効率化・迅速化を図る事例が登場している。
 あるソフトウェア開発会社では、2年から、米国のソフトウェア開発会社と米社の開発したソフトの日本語対応版の作成や機能拡張等をするにあたり、インターネットを利用した共同制作過程を導入し、電子メールを利用した意見や情報の交換、プログラムデータの一部のファイル転送による相互確認等の利用を図っている。プログラムデータを郵送等により交換するのに比べ、格段に作業が迅速化されるとともに、電子メールを利用することにより、電話に比べ時差に関係なくコミュニケーションがとれるなど、国際間の共同作業に貢献している。
 現在では、共同開発の相手も4社に広がり、利用が拡大している。

インターネットを利用した国際会議の端末画面
 

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