平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

第1節 公正で、活力ある情報通信市場の創出


 1 公正有効競争基盤の整備


 第1部第4章第2節で概観したように、昭和60年の電気通信改革による競争導入以来、電気通信市場には新第一種電気通信事業者、第二種電気通信事業者等併せて2,000 社を超える事業者が新たに参入し、事業者間の競争により料金の低廉化やサービスの多様化が実現してきている。また、放送分野においても、この10年間、衛星放送や都市型ケーブルテレビを中心に新事業者が多数参入し、多様なサービスを提供している。このように、我が国の情報通信市場は飛躍的に成長している。
 ところが、中継系新事業者や第二種電気通信事業者など、NTT以外の電気通信事業者がサービスを提供するに当っては、多くの場合、競争者であるNTTの地域網に依存せざるを得ない特異な市場構造となっている。このように、いまだNTTとその他の電気通信事業者との間の競争条件は対等とはいえず、例えば、中継系新事業者によるフレームリレーサービスやVPNサービスの提供の前提となる、これらの事業者とNTT地域網との接続について、事業者間の接続協議が不調に終わり、郵政大臣に対して回線接続協定の締結命令の申立てが提起されるなど、公正有効競争条件に係る対立も顕在化している。
 今後、我が国の情報通信市場においては、マルチメディア時代に向けて、一層多様な事業者が参入し、変容する利用者ニーズに対応した多様な情報通信サービスを提供していくこととなると考えられる。このため、低廉かつ高品質な情報通信サービスが提供される情報通信市場の実現に向けて、ローカルボトルネックの解消、事業者間接続の円滑化等の公正有効競争基盤の整備を進めていく必要があるとともに、各事業者が活発な競争を繰り広げ、マルチメディア時代の異業種間の連携、新しいビジネス創造の核たる事業者として発展していくことが重要である。
 このため、郵政省においては、2年3月に決定された「日本電信電話株式会社法附則第2条に基づき講ずる措置」や事業者間接続のルールの明確化に向けた取組等を推進している。

 

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