平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

2 インターネットビジネス

インターネットビジネス市場規模が対前年比倍増(47兆8,031億円)

 ITは、我が国経済の成長において極めて重要な役割を果たしているが、中でも成長著しいものとして、インターネットビジネスが注目されている。そこでインターネットビジネスについてその成長を市場規模の観点から定量的に把握するため、「ITが産業に与える影響に関する調査」を実施したところ、その調査結果は以下のとおりとなっている。
 本調査では、分析の対象となるインターネット上での電子商取引やパソコン等の端末機器等個人や企業のインターネット利用に関係する産業を「インターネットビジネス」として、「TCP/IPを用いたネットワーク上の商取引及びそのネットワーク構築や商取引に関わる事業」と定義している。また、このうち、平成11年から新たに開始された「マイクロブラウザ内蔵の携帯電話端末等を接続端末とし、TCP/IPを用いたネットワーク上での商取引及びその商取引に関わる事業」を「モバイルビジネス」と定義している。なお、ここでの「商取引」とは、ネットワーク上で財・サービスの取引を行う意思表示まで行うものとし、ネットワーク上で情報の検索のみを行う場合等は含まないこととする。
 「インターネットビジネス」は大別すると、「電子商取引」(注)と「インターネット関連ビジネス」の2つがある(図表1))。ここでは、まず「電子商取引」を、「TCP/IPを用いたネットワーク上で財・サービスの受発注を行う商取引」と定義する。この「電子商取引」は、取引内容に着目すると、さらに「最終消費財市場」(最終消費財及びサービスの取引)と「中間財市場」(企業間における原材料の取引)とに区分することができる(図表2))。このうち「モバイルビジネス」に係るものは、現在全て最終消費財市場に含まれているが、これを「モバイルコマース」と定義し、「最終消費財市場」の内数として計上した。また近年、複数の売り手企業と複数の買い手企業との間で行われるインターネット上の電子商取引の場としてe-マーケットプレイスが市場化されつつあるが、これは狭義には複数の売り手と買い手が存在する「N対N」の電子的な取引の“場”を、広義には狭義のものに特定有力企業のエクストラネットを拡張した「1対N」の電子的な取引の“場”を含むものとして捉えられる。本節においては、狭義のものをe-マーケットプレイス市場として扱い、電子商取引(中間財)市場の内数として計上した。次に、インターネットの普及により直接的に影響を受けているビジネスとして、「インターネット関連ビジネス」がある。これは「TCP/IPを用いたネットワークの構築及びインターネットコマースに関わる事業」と定義する。このうちモバイルビジネスに係るものについては、「モバイルコマース関連ビジネス」と定義し、インターネット関連ビジネスの内数として計上した。
 なお、平成12年における、これらの市場規模は、合計で47兆8,031億円と対前年比2.3倍となっている。

図表1) インターネットビジネスの市場の概要
インターネットビジネスの市場の概要 平成12年末のインターネットビジネスの市場規模は全体で47兆8031億円である。この中で電子商取引のうち、最終消費財市場が6233億円、中間財市場が38兆1000億円となっている。さらに、最終消費財市場のうちモバイルコマース関連のものは541億円、中間財市場のうちeマーケットプレイス関連は800億円である。また、インターネットビジネスの中で電子商取引以外のインターネット関連ビジネスについては、全体が9兆798億円、このうちASP市場が20億円、モバイルコマース関連ビジネスは1兆8223億円となっている。
図表2) 電子商取引市場の定義
電子商取引市場の定義


(注)「電子商取引」は平成12年通信に関する現状報告において「インターネットコマ−ス」と定義していたものと同一である。

 


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