平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

5 スーパーインターネットの実現に向けた取組の推進

2010年までに現在の約3万倍以上の規模の接続端末に対応する技術を実現

 急速に普及しつつあるインターネットは社会において極めて重要な役割を果たしつつあるが、今後は従来のパソコンや携帯電話ばかりでなく、テレビやオーディオ機器等にインターネット接続機能が付加されることが一般的となるほか、身の回りのあらゆる機器がインターネットに接続され、インターネット利用が飛躍的に拡大する「スーパーインターネット」の実現が期待される。
 総務省では、情報家電とインターネットの活用により多様なコンテンツの円滑な流通を実現するための基盤技術の確立や、あらゆる電子機器にインターネット接続機能を持たせて全ての国民が「いつでも」「どこでも」あらゆるインターネット・サービスを受けることが可能となることを目指し、以下の研究開発に取り組んでいるところである。
 
1)情報家電を活用したインターネット技術に関する研究開発
 デジタルカメラやデジタルテレビなど現段階での情報家電は、汎用的な機能を備えるパソコンと異なり、機能が一定範囲に限定され、ネットワークへの接続を前提としないものが一般的であった。しかし家電にインターネット接続機能を付加するとともにその簡便なインターフェースを利用することにより、国民の誰もが1〜数台の機器をインターネットに接続できるネットワーク環境の実現が期待されている。
 そこで本研究開発では、平成12年度において、インターネットに接続する情報家電ごとに必要な付加機能の自動検知や自動ダウンロード等、ネットワーク側から情報家電を制御するための技術開発などを実施した(図表1))。今後、平成13年度には、その成果を受けて実験システムの構築を進めるほか、ポータブル性を実現したモバイル情報家電を実現するための研究開発を実施する予定である。

2)スーパーインターネットに関する研究開発
 身の回りのあらゆる電子機器が有線・無線を問わずにインターネットに接続されるという超高密度なインターネット利用環境下では、現在の約3万倍以上の規模のインターネット接続が実現する一方で、これらの機器相互の連携等を可能とするための技術などの確立が不可欠となる。
 総務省ではこのようなスーパーインターネットの実現に向け、平成12年度において、膨大な機器が接続される環境の中で刻々と変化する各接続機器からの情報やそれによるトラヒック変動等に対応してネットワークの構成や機能をダイナミックに変化させる「適応型ネットワーク技術」の研究開発を実施した。本研究開発により、利用者はどの接続機器においてもネットワーク接続に係る操作を意識する必要がなくなり、またネットワークや端末機器の機能を柔軟に変更することでネットワーク資源の有効活用が可能となる。
 また平成13年度については、超高密度な移動通信環境下において安全性と品質を保ったIP通信を実現する「モバイルIPv6」に関する研究開発等を進める予定である。

図表1) 情報家電を活用したインターネット技術に関する研究開発の概要(平成12年度)
情報家電を活用したインターネット技術に関する研究開発の概要(平成12年度)
図表2) スーパーインターネットに関する研究開発の概要(平成12年度)
スーパーインターネットに関する研究開発の概要(平成12年度)

 


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