平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

第5節 研究開発の推進

1 テーマ提案公募方式による研究開発

競争的研究資金の導入

 情報通信技術において著しい多様化や高度化が進展している中で、限られた研究資金をどのように有効に活用していくかという問題が極めて重要となっている。平成12年2月に電気通信技術審議会から答申された情報通信研究開発基本計画においても、そこに示されている基本的な研究計画の実施に当たっては、「その時点における予算規模、技術動向、研究体制等の状況を踏まえ、また、社会的なニーズにしたがって優先順位を判断しながら研究対象及び課題を選定する必要がある」とされているところである。
 このような中、総務省では通信・放送機構に以下の研究開発推進制度(図表)を設け、研究開発テーマを幅広く公募の上、優れたものに資金を提供することにより、独創性・新規性に富む情報通信技術等の委託研究を推進している。

1)創造的情報通信技術研究開発推進制度
 独創性、新規性に富む情報通信技術の研究開発課題を大学、国立試験研究機関等に幅広く公募し、優れた課題について委託研究を実施。平成13年度からは若手研究者優先枠を創設。
 
2)国際標準実現型研究開発制度
 国際標準化活動への貢献(開発した通信方式等の国際電気通信連合[ITU]等への提案等)を条件として、公募研究として国際標準の実現に必要不可欠な技術の研究開発を実施(今後は、アジア・太平洋電気通信標準化機関[ASTAP]の標準化活動を積極的に主導していくために本制度を活用。)。
 
3)地域提案型研究開発制度
 地域の企業、大学、公的研究機関等により構成される研究共同体に対し、地域のニーズに応じた独創性・新規性に富む研究開発課題を公募し、委託研究を実施。
 
4)産学連携支援・若手研究者支援型研究開発制度
 大学における研究活動の成果を活用して情報通信分野の新技術・新規事業の創出を図るため、大学と民間企業等との産学連携による研究開発を促進するとともに、若手研究者への重点的支援により独創性・新規性に富む研究開発を推進。
 
5)ギガビットネットワーク利活用研究開発制度
 研究開発用ギガビットネットワークの通信回線を利活用した高度アプリケーションの実現に必要な技術の研究開発課題を、大学、研究機関、民間企業等を対象に幅広く公募、委託研究を実施。
 
6)国際共同研究助成
 我が国の技術水準の向上及び世界をリードする最先端の技術を生み出すため、国内外の研究者より成る国際共同研究チームに対し、広くテーマを公募し、研究費の一部助成を行う。
 これらの情報通信分野における基礎研究推進制度の導入により、様々な先進的な研究開発プロジェクトが効率的かつ効果的に進められるだけでなく、我が国における研究開発力の向上及び競争的な研究環境の形成による研究者のレベルアップにもつながることが期待される。

図表 テーマ提案公募方式の概要
テーマ提案公募方式の概要

 


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