平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

3 電子商取引等の促進

電子商取引の環境整備

 「e-Japan重点計画」では、我が国の電子商取引の現状について、電子商取引の比率は米国に比較して低いレベルにとどまっていること、IT化に対応した規制改革やルール整備が遅れていることを指摘し、達成すべき目標として、平成15年(2003年)における事業者間(BtoB)及び事業者・消費者間(BtoC)取引の市場規模が、それぞれの予想値である70兆円程度(平成10年の約10倍)、3兆円程度(同約50倍)を大幅に上回ることを目標(注)に掲げ、その実現に向け、インターネット上の取引・事業を制約する各種規制の改革、「行政機関による法令適用事前確認手続」の導入、情報化社会の基本ルールの整備、知的財産権の適正な保護及び利用促進、個人情報保護に関する基本法制の整備、国際的に整合性を持ったルール整備等の施策を推進することとしている。
 総務省関係の具体的施策は以下のとおりである。

1)規制の見直し
 「行政機関による法令適用事前確認手続」の導入について、平成12年12月の「経済構造の変革と創造のための行動計画」(閣議決定)を踏まえ、民間企業等の事業活動に係る具体的行為に関して、当該行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうかを、あらかじめ当該規定を所管する行政機関に確認し、その機関が回答を行うとともに、当該回答を公表する手続をIT、金融等新規産業や新商品・サービスの創出が活発に行われる分野において導入することとする。具体的には、「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」(平成13年3月閣議決定)に基づき、平成13年度から着実に実施することとしている。

2)新たなルールの整備(インターネットサービスプロバイダ等の責任ルールの整備(第1章第8節2参照))
 インターネット上の情報流通に関して、ウェブページ等への情報掲載による他人の権利利益の侵害に、プロバイダ等が迅速かつ適切な対応が行えるよう責任を明確化するとともに、携帯電話の利用者保護のため、必要なルールの整備を行う。
 このため、「特定電気通信による情報の流通の適正化及び円滑化に関する法律案」(仮称)を平成13年中に国会に提出する。また、携帯電話上のサイトに関し、違法・有害情報の排除、個人情報保護等に向けた新たなルールの導入を平成13年度から開始する。

3)知的財産権の適正な保護及び運用

(i)コンテンツの契約慣行・流通慣行の是正等
 平成13年度中に、映像デジタルコンテンツのネットワーク流通を円滑化するため、コンテンツ課金等を確保する取引ルールの整備と流通システムの構築のための方策を講ずる。

(ii)ドメイン名利用の適正化
 平成13年中に、ドメイン名に係る国際ルールによる裁判外紛争処理手続において、日本人同士の紛争を日本語で処理可能にするとともに、内外の新設ドメインについて優先登録期間を導入するなど紛争処理の円滑化・紛争予防に係る方策を講ずる。

4)消費者保護

(i)電気通信分野その他の個別分野における個人情報の保護(第1章第8節3参照)
 電気通信事業者による個人情報の適正な取扱いを確保する等所要の措置を講ずるため、平成14年度までに電気通信分野における個人情報保護に関する個別法案を国会に提出するなど、必要な措置を講ずる。

5)国際的な環境整備

(i)日・シンガポール新時代経済連携協定における二国間の制度調和
 平成13年中に合意を目指している日・シンガポール新時代経済連携協定においてITに関する二国間の制度の調和を目的として諸事項を盛り込む。

(ii)認証業務の認定に関する国際的な相互承認の推進
 グローバルな電子商取引等の促進のためには、国際的な電子署名・認証基盤の整備が不可欠であることから、平成15年までに、認証業務の認定について、国際的な相互承認を推進する。



(注)第1章第2節の推計及び過去に通信白書において実施した推計に基づくものではない。

 


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