平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

15 スペース・インターネット技術の研究開発

衛星を利用した超高速インターネット網の構築に向けて

 総務省では、文部科学省と連携して超高速衛星通信システムの構築のための研究開発を推進している。
 通信総合研究所では、平成12年度までに衛星搭載ATM交換機技術、電子走査型スポットビーム・アンテナ技術等の要素技術をはじめとした通信技術、ネットワーク技術の研究開発を実施してきた。
 また、平成12年11月30日及び12月1日の両日、東京において、前年に続きアジア・太平洋地域の電気通信主管庁の幹部、国内外の衛星通信実験関係者らの参加の下、「アジア・太平洋高度衛星通信国際フォーラム」を開催した。
 今回のフォーラムでは、メインテーマを「アジア・太平洋地域のデジタル・ディバイドの解消と高速衛星通信の利用」と題して、島嶼や山岳等、固定通信網の整備が困難な地域における衛星通信ネットワークの果たす重要性、衛星の超高速インターネットへの応用について討議が行われ、参加した機関の中から、超高速インターネット衛星による実験に対する期待が寄せられたところである。
 その後、平成13年3月に決定された「e-Japan重点計画」において「無線による広範囲の超高速アクセスを可能とする技術を実用化する。無線超高速の固定用国際ネットワークを構築するため、2005年までに超高速インターネット衛星を打ち上げて実証実験を行い、2010年を目途に実用化する。」と記載された。
 これを踏まえ、通信総合研究所では平成13年度から地上のネットワークとの相互補完に必要な技術の確立を目指し、衛星搭載ルーターの開発など、超高速インターネット通信が可能となる衛星搭載機器等のスペース・インターネット技術の研究開発を実施する。本研究開発については、従来から実施されている超高速衛星通信システムの構築のための研究開発の成果と合わせ、平成17年に打ち上げる超高速インターネット衛星で実証することとしている。
 また、超高速インターネット衛星の打上げ後は、これをテストべッドとして活用し、高速衛星通信アプリケーションの開発・実験をアジア・太平洋諸国と共同実施する予定である。

図表 超高速インターネット衛星通信システム概念図
超高速インターネット衛星通信システム概念図

 


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