平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

2 コンテンツ流通市場の形成

コンテンツの流通・保存面の取組

 放送のデジタル化、インターネットのブロードバンド化による多メディア・多チャンネル化の進展は、コンテンツに対する需要の増加をもたらしているが、コンテンツ流通の円滑化が図られていない状況にある。総務省では、その環境整備のために、以下の施策を推進している。

1)コンテンツ流通プラットフォーム実証実験(著作権等処理・管理システム)
 コンテンツの流通面においては、素材となる既存コンテンツの著作権処理の円滑化や不正コピーの防止等が課題となっている。そこで、通信・放送機構では、平成12年度にネットワークを活用したコンテンツの円滑なネット流通を可能とするコンテンツ流通プラットフォームの実現に向けて、著作権等処理・管理システムを構築し、コンテンツ制作者等が販売等のための権利処理をネットワーク上で行う実証実験、またコンテンツにID等を電子透かしにより埋め込み、ネットワーク上で流通させ、検索システムにより所在等を探査する不正利用探査システムの実証実験を実施した(図表1))。

2)放送番組の二次利用促進のためのデータベースマネジメントシステムの開発
 放送番組制作事業者等が個別に整備している放送番組の既存データベースを活用し、共通データベースの整備による放送番組の二次利用促進のためのデータベースマネジメントシステムの開発を平成11年度から実施している。

3)放送番組の保存のための研究開発
 放送番組を収集・保存する番組ライブラリ(注)のデジタル化を行い、これをネットワークで結び、遠隔地から高速で検索・視聴できるようにするシステム及び地域情報番組等の比較的短時間の放送番組を視聴ブースからリクエストに応じて効果的に視聴・提供するシステムについて、通信・放送機構において研究開発を実施している。

4)次世代放送コンテンツの振興に関する調査研究会
 デジタル放送の導入をはじめとした情報通信分野における技術革新及び環境変化を踏まえ、総務省は、平成12年2月から「次世代放送コンテンツの振興に関する調査研究会」を開催し、我が国及び欧米諸国における放送コンテンツに関する動向を調査するとともに、次世代放送コンテンツの振興に向けた課題や具体的方策について検討、同年7月に報告書を取りまとめた(図表2))。

5)デジタルコンテンツのネットワーク流通市場形成に向けた研究会
 放送のデジタル化、インターネットのブロードバンド化による多チャンネル化の進展がコンテンツに対する需要増をもたらす一方で、コンテンツのネットワーク利用に際し、著作権等を処理する契約に関するルールが確立されていないことなどによりコンテンツ流通の円滑化が図られていない現状を踏まえて、総務省では、平成13年2月から「デジタルコンテンツのネットワーク流通市場形成に向けた研究会」を開催し、円滑なコンテンツ流通市場の形成に必要な著作権管理システムの構築に向けた制度的・技術的課題と具体的方策を検討している。

図表1) コンテンツ流通プラットフォーム実証実験の概要(著作権等処理・管理システム)
コンテンツ流通プラットフォーム実証実験の概要(著作権等処理・管理システム)
図表2) 次世代放送コンテンツの振興に関する調査研究会報告書の概要
次世代放送コンテンツの振興に関する調査研究会報告書の概要


(注)番組ライブラリとは、国民的財産ともいえる優良な放送番組等が収集・保存されたもので、現在は、放送法に定める指定法人である(財)放送番組センターが整備している。

 


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