平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

9 量子情報通信技術の研究開発

情報通信技術におけるブレークスルーへ向けて

 インターネットの急速な普及やそのコンテンツの大容量化・高度化の進展、様々な新しい情報通信サービスの展開などにともない、今後、更に一層の伝送速度の高速化やより高い信頼性の確保が求められていくことが考えられる。しかしながら、電気や光などの波としての性質を利用した現在の情報通信技術では、そう遠くない将来にいずれ物理的限界を迎えることが予想されている。
 このような中、電子や光の構成要素である光子の量子力学的性質を利用して情報処理を行う量子情報通信技術が、絶対に盗聴されない暗号通信や現在の限界を打破する超高速通信等を実現する可能性がある革命的な技術として注目されるようになりつつあり、欧米においては、量子情報通信技術が21世紀の基本技術となる可能性を認め、国を挙げて戦略的に研究開発が取り組まれている。
 郵政省(現総務省)においては、「量子力学的効果の情報通信技術への適用とその将来展望に関する研究会」(座長:榊 裕之 東京大学教授)を開催し、21世紀の革命的な情報通信技術と期待されている、量子力学的効果を適用した情報通信技術(量子情報通信技術)について検討を行い、平成12年6月に報告書を取りまとめた。本報告書において、量子情報通信技術の将来展望を明らかにするとともに、実現に向けて取り組むべき研究課題や我が国として研究開発に総合的かつ戦略的に取り組むための体制整備や研究開発の推進方策等が提案された。
 このような状況を踏まえ、平成13年度より、具体的な研究フェーズごとに産学官で分担・連携して研究開発を開始し、我が国における量子情報通信技術の研究開発を戦略的・総合的に推進している(図表1)、2))。

図表1) 量子情報通信技術の研究開発推進体制
量子情報通信技術の研究開発推進体制
図表2) 量子情報通信技術の研究開発計画
量子情報通信技術の研究開発スケジュール

 


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