平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

13 高度海上交通システム(海のITS)の実現のための研究開発

船舶の航行の安全性向上や海上物流の効率化に向けて

 現在、船舶の航行における安全性の一層の向上や海上での交通渋滞の緩和、さらには海上輸送コストの削減が課題となっており、これらの課題の解決を図ることの必要性が指摘されている。
 このような中、郵政省(現総務省)においては、急速に進展する情報通信技術を活用して、これらの諸課題の解決方策を検討するため、平成12年4月に「海上通信の高度化に関する研究会」を開催し、「船舶の航行の安全確保」、「海上輸送の効率化」、「水産業への活用」及び「海上生活の快適化」の観点から、海上通信の現状と課題について整理・検討を実施した。そして、海上通信に係る諸課題に対応するためには、既存通信システムのデジタル化や高度海上交通システム(「海のITS」)の構築等を推進すべきであるとする報告書を同年10月に取りまとめた。
 同報告書においては、船舶の航行の安全、海上物流の効率化等のためには「海のITS」の構築が必要であるとし、その実現にはデジタル通信システムや船舶自動識別システム(AIS)の有効活用が不可欠であるとして、「郵政省(現総務省)、運輸省(現国土交通省)等関係省庁が陸上と船舶を結ぶ海上通信システムのデジタル化、AISの速やかな導入・定着、船舶の知能化、陸上からの船舶航行支援の高度化、海運情報ネットワークの形成、ITに対応できる人材育成、等の施策を総合的に推進するとともに、実証実験を通じて具体的効果の実証と改善を行うことにより社会的効用の高いシステムを実現する」ことが必要であるとしている(図表1))。
 国土交通省では、平成12年度から、船舶の衝突防止等のシステム開発に既に着手しているところであるが、総務省においてもこれと連携し、平成13年度から「海のITS」に必要な海上通信基盤を実現するため、海上通信をデジタル化し、高速化・高信頼化する技術の研究開発を通信・放送機構において実施している(図表2))。

図表1) 海のITSの実現のための主な施策
海のITSの実現のための主な施策
図表2) 高度海上交通システム(海のITS)の実現のための研究開発(実施イメージ)
高度海上交通システム[海のITS]の実現のための研究開発(実施イメージ)

 


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