平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

4 行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進

2003年度には電子情報を紙情報と同等に扱う電子政府を実現

 「e-Japan重点計画」では、我が国の行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進に関する現状について、政府の申請・届出等手続のオンライン化、内部事務のペーパーレス化(電子化)のほか、地方公共団体の電子化もまだ緒についたばかりである一方、文化、福祉等の公共分野において、情報のデータベース化、ネットワーク化等が着実に進展している状況であると捉えている。
 そこで、達成すべき目標として、行政情報の電子的提供、申請・届出等手続の電子化、文書の電子化、ペーパーレス化及び必要な業務改革を重点的に推進し、2003年度までに、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現すること、ITを活用した公共サービスの多様化・質の向上により、国民がITの恩恵を享受できる社会を実現することを掲げ、その実現に向け、実質的に全ての行政手続の電子化等を行うとともに、インターネット等を通じて世界最高水準の公共サービスが提供されるよう、高度道路交通システム(ITS)の推進等の様々な公共分野におけるITの活用の推進のための施策を実施することとしている。
 総務省関係の具体的施策は以下のとおりである。

1)行政の情報化

(i)国民、企業と行政との間の情報化

ア 行政情報の電子的提供
 各府省は、平成13年3月の「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)」(行政情報化推進各省庁連絡会議了承)に沿って、平成13年度から15年度までを重点取組期間とする実施方針を平成13年度早期に策定する。

イ 申請・届出等手続の電子化
(a)各府省は、各個別手続のオンライン化実施時期の前倒し、簡素化等手続そのものの抜本的見直し及び事務処理の電子化という観点から、既存のアクション・プランを見直し、新たなアクション・プランを平成13年度早期に策定する。
(b)各府省は、申請・届出等手続の電子化に関わる共通的基盤システム(府省認証システム、複数の手続の受付・結果通知等について汎用的に利用できるシステム(以下「汎用受付等システム」という))を平成14年度までに整備する。このため、行政情報化推進各省庁連絡会議において、汎用受付等システムの整備に当たって、府省間で整合性を図る必要があるものについて、平成13年度早期に基本的な仕様を取りまとめる。
(c)各府省は、可能な限り、平成14年度(2002年度)までに個別手続のオンラインシステムを整備する。
(d)ワンストップサービスについては、各府省が提供する申請・届出等手続に関する案内情報や申請書の様式等をホームページに掲載したものを横断的に検索・入手できる総合窓口システムを平成13年度から運用を開始する。総合窓口システムにおいて、平成15年度(2003年度)までに、各府省の行政手続の申請・受付システムへのアクセスを可能とする。

ウ 電子入札・開札の導入(第1章第3節3参照)

(a)非公共事業
 各府省がホームページで提供する調達情報を一括する政府調達情報の統合データベースの運用を平成13年度から運用開始するとともに、インターネット技術を活用した電子入札・開札の平成15年度(2003年度)までの導入に向けて取組を行う。

(b)公共事業
 平成13年10月から一部の直轄事業でインターネットを活用した電子入札・開札を開始し、原則として、平成16年度(2004年度)までに全ての直轄事業で電子入札・開札を導入する。

エ 地方公共団体の取組支援
(a)市町村が独力で情報化施策を推進することができるよう、平成13年度に情報の収集・提供、助言、研修・啓発の推進等のサポート機能の充実を図る。また、地方公共団体が歳入・歳出手続、入札手続の電子化を国の実施スケジュールに合わせて円滑に推進できるよう、国の動向を踏まえて検討を進める。
(b)関係府省においては、自治事務等のオンライン化に関し、地方公共団体からの要望、国民等からの要望を踏まえ、個別手続に係る標準仕様等の提示や法令改正の時期等について、アクション・プランを平成13年度早期に策定する。
(c)地方公共団体における組織認証基盤や個人認証基盤の整備を支援するとともに、申請・届出等の受付、結果通知等について、複数の手続に汎用的に利用できる汎用システムの基本仕様を平成13年度中に策定する。

(ii)行政の事務・事業の情報化

ア ペーパーレス化(電子化)
(a)平成11年12月、高度情報通信社会推進本部で策定された「行政事務のペーパーレス化(電子化)の行動計画」に沿って、各府省共通でペーパーレス化(電子化)を実施すべき「連絡・通知」や「情報共有」を主眼とする事務など57事務について、平成14年度(2002年度)までにペーパーレス化(電子化)を実現する。
(b)各府省において、ペーパーレス化(電子化)に対応し、電子情報を適切に管理・共有するために、平成13年度中に電子情報の保存・管理、アクセス制御等に関し、文書管理規則等の整備を行う。
(c)制度官庁等は、各府省からの報告等のペーパーレス化(電子化)について、平成14年度(2002年度)までに講ずべき措置について結論を得て、平成15年度(2003年度)までに実施する。
(d)本府省LANと地方支分部局LANとを接続するネットワークを平成15年度(2003年度)までに整備する。
(e)全ての地方公共団体を相互に接続する総合行政ネットワークシステムについて、平成13年度までに都道府県・政令指定都市、平成15年度(2003年度)までに全ての市町村における接続を要請する。また、当該ネットワークと霞が関WANとの接続を平成14年度から実施する。

イ 職員の情報リテラシーの向上と意識改革
(a)各府省共通の事項について、平成13年度中に、「情報システム統一研修」の見直し・充実を行い、情報化を担う中核要員の育成を図るとともに、職員の情報リテラシーの向上等に関する普及啓発活動を強化する。
(b)各府省は、職員の研修実施計画を行政の情報化の進展を踏まえ、平成13年度中に見直すとともに、職員に対する普及啓発・徹底化を図る。

ウ その他

(a)オンライン化に伴う法令の見直し等の実施
 各府省は、申請・届出等の手続きのオンライン化にともなう法令の見直し等に係る基本方針及び新たなアクション・プランを踏まえ、平成13年度中に法令の見直し等を行う。
 
(b)アウトソーシングの推進
・各府省は、「国の行政機関における情報システム関係業務の外注の推進について」を踏まえ、平成13年度早期に情報システム関係業務のうち、職員が重点的に実施すべき業務を明確化し、平成15年度(2003年度)までの間において計画的・重点的にアウトソーシングを実施する。
・総務省は、各府省における外注化の状況について、フォローアップを実施するとともに、その結果を公表する。

2)公共分野

(i)高度道路交通システム(ITS)の推進(第3章第5節11参照)

ア 道路交通情報通信システム(VICS)による道路交通情報提供サービスの全国展開
 渋滞情報、交通規制情報等を移動中のドライバーにリアルタイムで提供することによりドライバーの利便性の向上や道路交通問題の解決を図るVICSについて、平成14年度までにおおむね全国でサービスを実施するとともに、情報の高度化を推進する。

イ 走行支援システムの推進
 ドライバーへの情報提供、危険警告や操作支援を行う走行支援システム実現のため、関係省庁と連携し、道路と自動車を結ぶ高度な情報通信技術(スマートゲートウェイ技術)に関する研究開発を進め、平成15年(2003年)を目途に第二東名・名神高速道路等での実現を目指す。

ウ 狭域通信(DSRC)システム等
 駐車場管理や物流管理、ガソリンスタンド代金支払等の様々な分野においても利用可能な狭域通信 (DSRC)システム等を国際電気通信連合(ITU)に提案する等、今後5年間において各種ITS技術の国際標準化を目指す。

(ii)地理情報システム(GIS)の推進(第3章第7節2(3)参照)
 平成13年度中の三次元GISに関する基盤技術の開発を行う。

 


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