平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

2 IT社会の推進に向けた基本政策

5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す

 政府においては、IT革命推進を戦略課題として位置付け、その基本戦略として第1回戦略本部会合において「e-Japan戦略」が決定され、第3回戦略本部会合において、「e-Japan戦略」を具体化し高度情報通信ネットワーク社会の形成のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策を明示した「e-Japan重点計画」が決定された。
 今後IT戦略本部を中心とした内閣のリーダーシップのもとに本計画を確実に実施するとともに、IT戦略本部では、毎年春に施策の推進状況の調査と本重点計画の見直しを、また毎年秋に施策の推進状況の調査を継続的に実施し、必要に応じて新たな施策を重点計画に加えることにより、世界最先端のIT社会への転換を迅速に推進することとしている。また、この政策を円滑かつ確実に遂行するため、15の関連法案のうち12法案が第151回国会に提出された。
 また、「e-Japan戦略」及び「e-Japan重点計画」を各府省の平成14年度の施策に反映する年次プログラムとして、「e-Japan2002プログラム」を6月末を目途に策定する予定である。

1)e-Japan戦略
 我が国は、21世紀を迎え、全ての国民が情報通信技術(IT)を積極的に活用し、かつその恩恵を最大限に享受できる知識創発型社会の実現に向けて、既存の制度、慣行、権益にしばられず、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならないとして、1)超高速ネットワークインフラの整備及び競争政策、2)電子商取引ルールと新たな環境整備、3)電子政府の実現、4)人材育成の強化の4つの重点政策分野に集中的に取り組むことによって、市場原理に基づき民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となること」を目標として「e-Japan戦略」が策定された(図表1))。

2)e-Japan重点計画
 「e-Japan重点計画」では、「e-Japan戦略」が目指す「世界最先端のIT国家」、すなわち高度情報通信ネットワーク社会を、第一に、「全ての国民がITのメリットを享受できる社会」、第二に、「経済構造改革の推進と産業の国際競争力の強化が実現された社会」、第三に、「ゆとりと豊かさを実感できる国民と、個性豊かで活力に満ちた地域社会が実現された社会」、第四に、「地球規模での高度情報通信ネットワーク社会の実現に向けた国際貢献が行われる社会」と捉え、官民の役割分担を示した上で、その実現のために特に重点的に施策を講ずべき5分野、(1)世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成、(2)教育及び学習の振興並びに人材の育成、(3)電子商取引等の促進、(4)行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進、(5)高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保について具体的な目標、達成期限が明確である施策を盛り込み、集中的に取組むこととしている。また、5分野の施策を推進して高度情報通信ネットワーク社会を実現するに当たっては、重点的な対応が必要となる横断的な課題が存在することから、(1)研究開発の推進、(2)デジタル・ディバイドの是正、(3)社会経済構造の変化にともなう新たな課題への対応、(4)国際的な協調及び貢献の推進の4つの課題についても積極的な対応を行っていくこととしている(図表2))。

3)e-Japan2002プログラム
 「e-Japan2002プログラム」は、「e-Japan戦略」及び「e-Japan重点計画」を各府省の平成14年度の施策に反映する年次プログラムとして、6月末を目途に策定する予定である。第4回IT戦略本部(平成13年5月31日)に提出された「e-Japan2002プログラム(案)」では、平成14年度におけるIT施策については、(1)高速・超高速インターネットの普及の推進、(2)教育の情報化・人材育成の強化、(3)ネットワークコンテンツの充実、(4)電子政府・電子自治体の着実な推進、(5)国際的な取組の強化の5本の柱を基本的な方針として、重点化を図ることとされている。政府としては、本プログラムに基づき、IT施策を集中的、包括的に実施することにより、「e-Japan戦略」に掲げられた目標の確実な達成を図る予定である。

図表1) e-Japan戦略(要旨)
e-Japan戦略(要旨)
図表2) e-Japan重点計画の概要
e-Japan重点計画の概要

 


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