平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

第7節 公共分野の情報化の推進

1 電子認証基盤の整備

(1)政府における認証基盤の整備

電子政府における政府認証のシステム化を推進

 最近のインターネットの爆発的な普及を背景に、電子商取引や金融、教育、医療など社会・経済活動の各分野におけるデジタル化、ネットワーク化が急速に進展している。これにともない、行政の各分野においても、情報通信技術を活用した行政サービスの向上など電子政府の実現への要請が一段と高まっている。
 行政を取り巻く社会・経済活動の変化の中にあって、政府においても、平成9年12月に閣議決定された「行政情報化推進基本計画の改定について」に基づき、行政の情報化を総合的・計画的に推進しているところである。特に、国民負担の軽減等を図る観点から、インターネット等を利用した申請・届出等手続のオンライン化を一層推進することを重要な課題と位置付けている。
 また、「雇用創出・産業競争力強化のための規制改革」(平成11年7月13日産業構造転換・雇用対策本部決定)においては、平成11年度中に各種手続の電子化・オンライン化を一層推進するための基本的枠組みを策定し、これを受けて、省庁別にタイムスケジュールを含めた具体的なアクション・プランを策定するとともに、政府認証基盤(GPKI:Government Public Key Infrastructure)の構築に向けた取組を進めることとされている。さらに、「経済新生対策」(平成11年11月11日経済対策閣僚会議)においては、平成15年度までに、民間から政府、政府から民間への行政手続について、インターネットを利用しペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築すること、具体的な電子申請システムの構築に当たっては、必要な規制緩和、制度改革との同時実施を目指すこととされているところである。
 このような状況にあって、申請・届出等手続や国民と行政機関との間の情報のやり取りをオンライン化、つまりインターネット等のネットワークを利用して行うに当たっては、従来の書面を前提とした制度・仕組とは異なった観点からの検討・解決を要する課題があり、早急にその解決を図ることが必要となっている。
 具体的には、例えば、従来の国民等から行政に対する申請・届出等や行政から国民等に対する結果の通知等は、一般に、署名又は記名押印した書面により行われていた。しかし、これをインターネット等のネットワークを利用して行う場合、何らの措置も講じなければ、申請・届出や許可・認可等の通知といった情報が本当にその名義人(申請者や行政機関等)によって作成されたものであるかどうか(誰かが名義人になりすましているのではないか)、あるいは、内容が改ざん等されていてもその有無を確認することができない、という恐れがある。
 このため、申請者と行政機関との間で送受信される電子文書について、その名義人の同一性、内容が改ざんされていないことの確認(申請者等の認証)を行う仕組(認証基盤)の整備を図ることが必要である。
 申請・届出等手続のオンライン化に必要な政府認証の仕組(GPKI)について、総務省において関係省庁との連携を図りつつ、その実現に向けた検討を進めてきた。その結果、各省庁においては、その処分権者の官職を認証する唯一のシステムとして省庁認証局をそれぞれ構築し、総務省はそれら省庁認証局と、申請者を認証する民間認証局との相互認証を簡素化し、申請者が行政機関からの許可・認可等の通知の検証を効率的に行えるようにするための「ブリッジ認証局」を構築することとなった。ブリッジ認証局が、各省庁認証局が発行する官職証明書等を申請者に一元的に提供するとともに、各省庁において必要となる申請・届出に添付された証明書の有効性検証のための機能を提供することにより、申請者の利便性の向上と政府認証基盤全体の効率的な構築・運用が可能となる(図表)。
 平成12年度予算措置により、総務省、経済産業省及び国土交通省の先行3省の省庁認証局並びにブリッジ認証局については、国際的な標準に基づく仕様・技術を採用した汎用性・拡張性のあるシステムとして、平成13年3月に整備が完了した。今後、総務省では、電子政府の早期実現に向け、総務省認証局を活用する各種申請・届出等手続の計画的なオンライン化を推進するとともに、先行3省以外の省庁認証局の整備の推進を図っていくこととしている。

図表 政府認証基盤のイメージ
政府認証基盤のイメージ

 


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