平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

5 医療・福祉

情報通信技術の活用による医療・福祉支援の取組が進展

 高齢化社会が目前に迫っている中、医療・福祉分野においても情報通信技術を有効活用し、医療現場や高齢者等のサポートをする機能やサービスの開発が各方面において模索されている。
 山口県萩市では、離島診療所等での医療サービスの向上を目指して、離島の診療を遠隔医療により支援するためのシステムの整備・運用を行っている(図表1))。
 この取組は平成10〜11年度に郵政省(現総務省)の自治体ネットワーク施設整備事業として、医療の情報拠点施設の役割を果たす「萩市医療診断支援センター」を整備し、同センターと山口大学医学部附属病院や萩市沖合い45kmに位置する見島の市立診療所とを通信回線により接続して、各種医用画像の送受信による遠隔医療等を実施するものである。
 本システムの運用により、例えば患者のX線写真やCT画像等をこれらの医療機関の間で送受信することにより、診療所がセンター内の画像診断専門医等から迅速かつ的確な医療支援を受けることが可能となっており、離島医療の充実に貢献しているところである。
 また、大阪府池田市では、遠隔在宅福祉支援システムの構築による独居高齢者を対象にしたコミュニケーション支援、安否確認、福祉・行政情報の提供等、地域福祉の高度化を目指した取組を進めている(図表2))。
 これは、通信・放送機構が地方公共団体等の協力を得て行う福祉支援情報通信システム開発・展開事業として、同市が(財)池田さわやか公社に福祉サービス支援センターを設置し、既設のケーブルテレビ網を利用して、遠隔介護や介護サービスの支援システム、福祉情報提供システム等の開発等を実施しているものである。
 このうち、遠隔介護支援システム等では、独居高齢者や要介護者宅にセンターとの通信機能を備えたペット型ロボットを配置し、高齢者等とロボットとの会話などコミュニケーションの状況をセンターでモニターすることで、安否確認や緊急時の迅速な初期医療、効率的できめ細やかな介護サービスの提供を可能にしている。
 現在、これらのシステム開発においては、技術的ノウハウを始めとした各種データ等を取得するとともに、試験的な実利用に供した上での利用者の評価等、利用状況についてのデータ収集・分析を行っており、より効果的・効率的な福祉サービスの実現が期待される。

図表1) 山口県萩市の遠隔医療支援イメージ
山口県萩市の遠隔医療支援イメージ
図表2) 大阪府池田市の在宅福祉支援イメージ
大阪府池田市の在宅福祉支援イメージ

 


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