平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

1 国際政策の推進

(3)国際衛星通信を巡る動向

インテルサットの民営化が決定

 近年、インテルサット、インマルサットは民間衛星によるグローバルなネットワークの出現、同時にインテルサットにおいては国際通信の光海底ケーブルによる伝送への移行により、競争環境が激化したため、機構改革を迫られていた。

1)インテルサット(国際電気通信衛星機構:INTELSAT)
 インテルサットは、国際公衆電気通信業務に必要な宇宙部分(衛星及びその運行に必要な施設等)を世界のすべての地域に対し、無差別に提供することをその主たる目標とし、「国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定」によって設立された国際機関である。
 近年における光海底ケーブルの利用の増加や民間の国際衛星サービスとの競合の進展等の環境変化に対応するため、1999年10月にマレイシア(ペナン)で開催された第24回締約国総会において、インテルサットの民営化を早期に実施することを前提に、民営化形態について議論を継続することが決定された。その後、作業部会における検討が進められた結果、2000年11月に米国(ワシントンD.C)で開催された第25回締約国総会において、2001年7月における民営化の実施が最終決定された。
 民営化の形態については、現行のインテルサットの業務部門については、新会社に移管するとともに、当面の間については途上国等を対象にしたユニバーサルサービスを保護することとされ、当該状況を監視するための政府間機関の設置が決定された。また、これにともない、インテルサット協定の改正も採択されている。

2)IMSO(国際移動通信衛星機構)
 インマルサットは、海事通信を改善するために必要な宇宙部分(衛星及びその運行に必要な施設等)を提供し、これにより、海上における遭難及び人命の安全に係る通信等の改善に貢献することを目的として、「国際海事衛星機構(インマルサット)に関する条約」によって設立された国際機関である(その後、条約の改正により、機構の目的に航空通信及び陸上移動通信のための宇宙部分の提供を追加。)。
 第10回総会(1994年)において、機構の名称を「国際海事衛星機構(インマルサット)」から「国際移動通信衛星機構(インマルサット)」に変更する条約改正が採択され、また、低軌道移動体衛星通信システムの商用サービス化等の移動通信衛星分野における国際的競争環境に対応するため、1998年、イギリス(ロンドン)で開催された第12回総会において事業部門をインマルサット会社に移管すると共に、会社によるGMDSS(世界海上遭難安全制度)サービス等の公的業務の提供を監督するための政府間機関を設置することを決定し、このための条約改正を採択した。我が国は1999年8月に両改正を受諾した。
 2000年6月には第15回総会がイギリス(ロンドン)にて開催され、インマルサット会社が順調な経営状況の下、公的業務を円滑に実施していることなどが報告された。

図表 インマルサットの概略(1998年の条約改正による機構改革後のもの)
インマルサットの概略(1998年の条約改正による機構改革後のもの)

 


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