平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

コラム1 IP電話(VoIP)の実現

インターネット網等を使用した低価格の電話サービスが登場

 インターネットの普及にともなって、通常の電話回線の代わりにインターネット網等を使用した音声通話(IP電話。VoIP(Voice over Internet Protocol)ともいう。)が登場している。
 IP電話は、当初、インターネットに接続されたコンピュータ間において、音声データをやり取りする形態のものから始まった。現在も、このようなコンピュータ上のアプリケーションとしてのIP電話を提供している事業者は多い。
 しかし、現在サービスが開始されているIP電話では、必ずしもパソコンを使用した通話ではなく、通常の電話機を使用している。また、途中のネットワークについてもインターネット網ではなく専用線網を利用して通話するものが主体となっている。IP電話では、交換機の間の長距離回線部分に常時接続型のインターネット網や専用線網を用いるため、回線使用料が時間や距離による課金ではなく、長距離通話などでも低価格で通話することが可能となる。以前は、このようなIP電話について、インターネットの性質上、通信品質が保障されず、音声の遅延が起こることなどのデメリットが指摘されていた。しかし、回線の大容量化や、専用線網の整備、技術革新が進むにつれてこのような問題は解消されつつある。平成13年4月より、全国一律で3分20円のIP電話サービスを提供する事業者が登場してきており、今後ますます利用が増加するものと思われる。また、今後、一般家庭まで常時接続型のインターネット・アクセス網が整備されれば、音声通話を行う都度、課金する必要はなくなることも想定される。
 また平成13年3月には国際電気通信連合(ITU)がスイスにおいて開催した第3回世界電気通信政策フォーラムにおいて、IP電話に関する規制政策の在り方や途上国における環境整備に向けた国際協調・支援活動等に関する宣言(オピニオン)が採択された。平成13年3月現在、我が国におけるIP電話サービス事業者は、381社となっているが、今後は一層増加することが予想され、価格競争も進むことが予想される。

図表 IP電話の概要
IP電話の概要

 


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