平成13年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

第8節 グローバル化への対応

1 国際政策の推進

(1)主な国際会議の動向

デジタル・ディバイドの解消、電子商取引に関する議論がより活発に

1)デジタル・ディバイドの解消に向けた取組
 近年、デジタル・ディバイド解消、デジタル・オポチュニティ活用の重要性が世界的に叫ばれており、特にアジア太平洋地域においても、同様の意識が急速に高まっている。
 2000年7月に開催された九州・沖縄サミットで採択されたいわゆる「IT憲章」では、デジタル・ディバイドの解消に向けた取組について各国首脳が共通の認識をもって取り組んでいくこととされた。
 また、2000年10月31日から11月2日までの日程で、東京にてAPTアジア太平洋情報社会サミットが開催され、同サミットでは、平林鴻三郵政大臣(当時)が議長を務め、域内の20人の情報通信担当大臣等を含む30の国・地域の代表者のほか、国際機関(ITU(国際電気通信連合)内海事務総局長、ESCAP(国際連合アジア太平洋経済社会委員会)キム事務局長)、産業界・学界の要人の出席を得て、域内のITの普及促進やデジタル・ディバイドの解消に向けた取組について議論を行い、情報社会の構築に向けて「東京宣言」及び「行動計画」を採択した。今後、その実現に向けて、APTのAIIS(アジア太平洋情報社会イニシアチブ)会合にて具体的取組を検討する予定である。
 このほか、民間の活動として、スイスを本部とする世界的な非営利組織である世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)においても、IT革命、特にデジタル・ディバイドの解消の重要性が示されているところである。例えば、2000年7月には、九州・沖縄サミットに先立ち、「デジタル・ディバイドからデジタル・オポチュニティへ」と題する提言書を議長である森総理大臣(当時)に提出し、「IT憲章」の取りまとめに反映された。また、2001年1月に開催されたWEF年次総会(通称:ダボス会議)においては、森総理大臣(当時)が出席し、デジタル・オポチュニティの拡大についての日本政府の取組を示すとともに、小坂総務副大臣がセッションの一つである「教育に対するテクノロジーの貢献」に出席し、「インターネットや他の技術がどのように教育を向上させるのか」について、我が国の情報通信政策の取組等に関するスピーチを行った。

2)電子商取引に関する取組
 2000年5月にメキシコで開催されたAPEC電気通信・情報産業大臣会合においては、電子商取引への理解を促進し、電子商取引のインフラ開発を推進するための政策・規制環境の確保を謳ったカンクン宣言が採択された。
 民間においては、欧州、アフリカ、米州及びアジア・オセアニアのIT関連企業からなるGBDe(Global Business Dialogue on Electronic Commerce:電子商取引に関するグローバルビジネスダイアログ)が、電子商取引に関する諸課題について検討し、年1回の総会で各国政府等に対し提言を行っている。2000年9月のマイアミ総会には佐田郵政総括政務次官(当時)が参加し、我が国のインターネット・電子商取引普及のための政策やIT革命推進に向けた取組について、政府としての基調講演を行った。
 さらに、電子商取引推進のための二国間協力に向けた取組として、2001年1月、日英両国政府により「世界的な電子商取引に関する日英共同発表」が取りまとめられた。共同発表は、イギリスのヒューイットe-Minister(電子大臣)来日の際、片山総務大臣、平沼経済産業大臣及び額賀IT担当大臣(当時)と会談した成果として発表され、世界的な電子商取引に関する共通見解、政策上の一般原則、協力のためのアジェンダ等が表明された。

3)ITU関連会合
 ITUにかかわる活動としては、2000年5月、世界無線通信会議(WRC−2000)がトルコ・イスタンブールにおいて開催され、IMT−2000への周波数分配等が審議された。また、同年9〜10月には、世界電気通信標準化総会(WTSA−2000)がカナダ・モントリオールにおいて開催され、迅速な勧告承認を可能とする手続の導入について決定がなされるとともに、国際計算料金や国際インターネット接続料金に関する勧告が承認された。
 この他、2000年12月、ITU主催のアジアテレコム2000(電気通信展示会及びフォーラム)が中国・香港において開催された。展示会には、世界29か国・500社が、最新の情報通信技術の展示を行ったほか、フォーラムでは、世界51か国から政策責任者、民間企業の幹部等が出席し、情報通信に関する最新の政策・技術動向について意見交換を行った。

図表 主な国際会議の概要
情報通信分野に関する主な国際会議の概要

 


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