平成8年版 通信白書

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コラム

コラム9 新世代通信網パイロットモデル事業の1年間の利用状況

 6年7月から関西文化学術研究都市において実施されている「新世代通信網パイロットモデル事業」について、実験開始から7年6月までの1年間の利用状況が取りまとめられた。その概要は次のとおりである。

1 サービスの提供状況の概要

 モニター数は、7年6月末現在、一般家庭 234、企業12の合計 246である。
 基本サービスとして、ビデオ・オン・デマンド(放送番組、映画等の動画が毎月約 300本、地域情報、生活情報等の静止画が常時約 1,300画面)、ケーブルテレビ(ハイビジョン2チャンネルを含む31チャンネル)及びテレビ電話があり、6年12月から50世帯を対象にゲーム配信(30種類)が行われている。

2 利用状況の概要

 ビデオ・オン・デマンドの動画サービスについては、1日当たりの平均アクセス率(アクセス回数/モニター数)は10〜15%、1世帯当たりの月平均利用回数は 5.4回となっている。家族と見ることが多いと回答した人が約6割に上り、最もよく見られているのは洋画である。
 月の初めにソフトを更新するため、月初めの利用率が高く、マルチメディアの利用はコンテント次第であることを示している。
 ビデオ・オン・デマンドの静止画サービスについては、1世帯当たりの月平均接続回数は 5.8回で、交通機関の時刻表やショッピング情報が主婦層を中心に利用が多い。
 ケーブルテレビサービスについては、1日当たり視聴時間は25分であり、ハイビジョン放送、光ファイバの利用による高品質な画質が好評であり、スポーツ中継、環境映像等が高い評価を受けている。
 テレビ電話サービスについては、主婦がおしゃべり・近況報告に使用している例が多い。画面を消して音声のみで利用している人も多いが、子供のおしゃべりでは画面をつけて利用されており、子供の方が映像に親しんでいる。
 全体として、利用率は高く、マルチメディア・サービスが生活の一部として定着してきていると言えるが、1か月のケーブルテレビ料金、電話料金、ソフト使用料金の総額が1万5千円以下のユーザーが大部分である。実用化に当たっては、トータルとしての利用料金が鍵であると、新世代通信網パイロットモデル事業の実施主体である(財)マルチメディア振興センターは分析している。

 

新世代通信網パイロットモデル事業

 

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