平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(3)  効率的な周波数利用のための諸方策

 ア 携帯電話等の周波数有効利用方策
 社会経済活動の多様化・国際化に伴い、情報通信が果たす役割が急速に高まってきており、とりわけ携帯電話等の移動通信システムの利用が増加している。しかしながら、移動通信システムは電波を使用するため、現在割り当てられている周波数のより一層の有効利用を推進していくことが大前提となる。
 このため、郵政省は、狭帯域化、小セル化、ハーフレート化等の周波数利用効率の高い新しい技術の開発・導入を促進しているところであるが、今後も携帯電話等の健全な発展を確保していくためには、さらに長期的視野からの需要予測及び周波数の利用に関しての技術的諸方策等を含む周波数有効利用方策を策定し、産業界や利用者に対して明確に示していくことが必要である。
 本検討は、電気通信技術審議会で、8年春ごろを目途に検討中である。
 イ 電波有効利用促進センターの指定
 電波有効利用促進センターは、無線局の開設に当たって既設無線局との混信の状況等必要な事項について照会及び相談に応じること等により、電波の利用者の利便の向上と周波数の有効利用の促進を図るための業務を行うことを目的とする公益法人として郵政省が指定するもので、7年度は新たに(社)電波産業会が指定され、7年7月から業務を開始している。
 ウ 特定ラジオマイク用周波数の増波
 近年、大規模なミュージカル等の上演に際して、同時に使用される特定ラジオマイクの数が増加してきており、これに対応するために、使用可能な周波数の拡大が求められていた。
 これらのニーズにこたえるため、郵政省は、7年6月、「無線設備規則」の一部を改正し、特定ラジオマイク用周波数の増波を図り、劇場等で同時に使用することができるラジオマイクの本数を15本程度から25本程度とした。
 エ 無線呼出しの容量増加
 無線呼出しサービスは、これまでビジネス中心に使用されていたが、プライベートで利用される割合が増加しているほか、今後更に加入増が見込まれ、また、無線呼出しサービスの高機能化やシステム手帳との複合化による更なる需要が見込まれている。このため、郵政省は、7年6月、「無線設備規則」の一部を改正し、無線呼出しシステムの変調信号の送信速度等を変更し、より周波数利用効率の高いシステムへの移行を促し、無線呼出しシステムの加入者数及び伝送容量の増加を図った。

 

 

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