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第3章 情報通信が牽引する社会の変革―「世界情報通信革命」の幕開け―第2節 情報通信がリードする我が国経済の構造変革近年、企業において情報通信の高度化が進み、LANは半数以上、EDIは4割の企業に普及し、ニュービジネスの起爆剤となっている。また、情報通信技術の研究開発活動を見ると、光通信分野を中心に我が国においても様々な研究開発が行われているが、研究費、研究者数については米国の方が高い水準にあり、情報通信分野の中核を占める通信・電子・電気計測器工業の研究開発力の比較優位についての評価は、1994年には、我が国優位から米国優位へと評価が逆転した。 情報通信産業の実質国内生産額、雇用者数、労働生産性等を推計すると、我が国産業全体の中で情報通信産業が占める比率は、近年、拡大してきており、実質国内生産額については、昭和60年の 7.6%から6年では 9.5%となった。また、雇用者数については、昭和60年の 7.1%から6年では 7.3%となり、特に情報ソフト部門が増加している。また、労働生産性については、情報通信産業の雇用者一人当たり実質国内総生産額は、昭和60年の 1,591万円から6年は 2,256万円と増加し、また、我が国産業全体の労働生産性(6年は 1,684万円)と比較すると、高い水準にある。 本節では、こうした情報通信の高度化による経済・産業面の構造変革について概観し、「世界情報通信革命」の我が国における一側面を分析する。
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